代数曲線の有理点。 | Supermassive Black Hooooole!!

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物理・天文・音楽(MUSE)・野球好きな東北大生のブログ。
あと、たまに毒を吐きますよ。

日付変わって、皆さんコンバンワ。


ましゅどくでっせ。




さて、一昨日くらい前に書いてた、


「数学最前線特別講義」


のお話を、ちと遅くなりましたが、したいと思います。




今回のテーマは、タイトルにあるように、


「代数曲線の有理点」


です。


まず、「代数曲線、有理点て何やねんボケぇ。」

って方のために、言葉の説明から。


代数曲線ってのは、例えば、三平方の定理(ピタゴラスの定理)

が挙げられます。

中学校を無事(?)卒業した方なら小耳に挟んだことがあるかと思いますが、

要するに、


「直角三角形の斜辺の長さzの2乗は、

他の2辺の長さx,yの2乗の和に等しい、すなはち、

x^2+y^2=z^2」


ってやつですね。


この式が、代数曲線ってやつです。


他にも有名どこで、

「フェルマーの最終定理」。

これも代数曲線の代表的な例です。


この定理は、

「nが2より大きい自然数ならば、

x^n+y^n=z^nとなる整数x、y、zの組は存在しねぇんだぜ。」

という定理なんですが、フェルマーさん曰く、


「あー、ごめんごめん。

オレこの定理の証明をしたんだけど、余白ねぇから書けないわ。」


と言って、死んじゃいました。この証明が難しく、

何人もの数学者が挑みましたが、できませんでした。

そして、約350年後の1997年にワイルズさんによって証明されました。

どうも、フェルマーがホントに証明したかはナゾらしく、

証明を間違ってたのではないか、という話も出てるそうです

(おそらくここの部分で証明を間違ったであろう、という予測までついてるみたいです)。



話が、脇道にそれちゃいました。


次に有理点について、これは、上の代数曲線の式を満たす

有理数(分数の形で表せられる数。1/3とか4/1とか。)の組み合わせのことです。


ピタゴラスの例でいえば、


(x,y,z)=(3,4,5) , (5,12,13)


が有理点です。


つまり今回の講義は、


「代数曲線を満たすような有理数の組み合わせって

どんなことが分かってんの?」


がメインテーマです。



それで、これに対する結論が、


「代数曲線の有理点の中身は、

代数曲線の複素数の範囲での形によって決まるよ。」


ってことだそうです。


「代数曲線の複素数の範囲での形ぃ????」

と思われた方は多いと思いますが、これを理解するには、

「位相幾何学(トポロジー)」という数学の概念が必要になってくるし、


オイラはついこの前まで位相に関する勉強をしてたんで、

何となく理解したつもりでいたのですが、特別講義に参加できなかった友達に

説明しようと思ったら、上手く説明できませんでした…。


なので、以下、詳しい説明はせず、

「ふ~ん、そういうのがあんだ~。」

程度で、受け流しちゃってください。


「代数曲線の複素数の範囲での形」

には、いろんな種類があります。代表的な3つが、


「ボール型、ドーナツ型、2人乗りの浮輪型」


です。


これらにはそれぞれ、穴が0個、1個、2個、ありますよね。

この「穴」のことを数学用語で「種数」というそうです。


具体的に、ピタゴラスの式を「複素数の範囲での形」で表すと、

種数1のボール型になります。


フェルマーのあの式は「複素数の範囲での形」で表すと、

種数2以上の形になるそうです。


この種数の数によって、有理点の中身が決まってきます。


種数が0のとき、つまり、ボール型のとき、

「有理数の解が少なくとも一つあるのかどうかの判別法があり(Hasseの定理)、

もし、その判別法により、有理数解が1つあるということが分かれば、全体では、

無限個解があるということが分かり、しかもその全部を求められる」

そうです。


つまり、種数0のときは、代数曲線の有理点の組み合わせの求め方ってのは、

もう分かっちゃってるわけですね。


次に、種数が1のとき、つまり、ドーナツ型のとき、

「有理数解があんのかないのかの判別法は、まだ未解決で、

もし解が存在するなってことが分かった場合、

そのうち何個かの解が分かれば、解の全部が求められるが、

具体的に何個の解が分かればええねん、ってのも未解決」

だそうです。


種数1のときになると、未解決部分が存在するようになりますね。


しかも、この未解決問題、証明しちゃうと、どっかの研究所が、


「1,000,000$あげちゃうよ~」


とのこと。

我こそはって思う方は、どーぞ。(笑)


さて、最後に、種数2のとき、つまり、2人乗り浮輪型の場合、

もしくは種数が3以上(穴が3個以上)になった場合、

「代数曲線の有理点の数は有限個なんだぜ

(Faltingsの定理、または、Mordell予想という)。

どうだ、すげぇだろ。

あぁ?実際に解の数はどんくらいあって、

その解が具体的になんぼか求められるのかだと?

そんなの知るか、ぼけぇ!」

とのことです。(笑)


つまり、今度は、解の数は有限個ってのは分かってんだけど、

その数がいくつか、値はいくらなのかを求めることはまだ未解決だ、

ということです。





まあ、こんなことをつらつらと話してましたね。


そういえば、講義には10人弱いたんですが、

講義が終わった後、拍手したのはオイラだけ。


「拍手するのは、講演者に対するマナーだろがっ! ヽ(`Д´)ノ」


と思いました。

まあ、あとからパラパラ~っと拍手が起こったけどね。



こういう類の問題は、「整数論」と呼ばれてます。

大学受験のとき、こういう「整数論」の問題が苦手だったのよね。

どっから手をつけりゃいいのか分かんなかったし。


そういうのを、うんうん悩みながら、証明を見つけ出す数学者は

やっぱり凄いですわ。


オイラはふと、思ったんですけど、

「こういうの考えてる優秀な数学者に、

物理学の知識を身につけさせたうえで、

現代物理の謎を与えてやったら、

もしかしたら、証明しちゃうんじゃね?」

っと思いました。


なぜかというたら、まあそんくらい数学者は考えてる次元が違う

って思ってるのがメインですね。根拠になってないけど。


また、オイラとは違うクラスの電磁気学Ⅱのテストで

テストの最高点をとったのは、物理系の生徒ではなく、

数学系の生徒だった、という噂が…。


そういうのを聞いて、上のことを思っちゃったわけなんです。


物理学者の皆さん、不謹慎でゴメンナサイ(?)。




さ、もう11:00になるんで朝飯食いたいと思います

(実は、この記事を書いてたら、途中で寝てしまったんですね。

だから、上の日時と、実際に公開した時間は

睡眠時間の分だけ大きくずれてます(笑))。




ちなみに、今回の授業はパワポ形式でやってて、

実際に使われたパワポがネット上にあるんで、

興味を持った方は、下のURLをクリッククリック~。


http://www.math.tohoku.ac.jp/~shinichi/saizensen


おそらく期間限定なんで、お早めに~。




それでは、

また今日。 (^-^)/



注:今回も数学の専門家等が見たら、

  「そこ間違ってる!」と指摘が来るかもしれないですが、

  大目に見てやってください…。