再掲 ”2019年射手座の木星・魚座の海王星のスクエアがもたらすもの” | 星が語る『Star』~Astrology Cafe~

再掲 ”2019年射手座の木星・魚座の海王星のスクエアがもたらすもの”

 2019年は木星が海王星に対して3回のウェイニングスクエアを形成する。これは2019年4月11日から8月11日までの期間、木星が逆行することに起因する。それぞれの日付は、2019年1月14日、6月17日、9月22日である。最初のアスペクト形成から、最後のアスペクト形成までの期間は、関連する惑星とサインの力学がもっとも活発に働く時期である。しかし、こうした力学は初回のアスペクト形成の数週間前、そして最後のアスペクト形成からの数週間にもはっきりと表面化してくる。特に、他の惑星が木星か海王星にハードアスペクトを形成している場合は顕著になる。要するに、他の惑星が、この期間で、木星や海王星にハードアスペクトを形成する時期は非常に重要だということになる。その時間帯は以下の通りである。

 

1月13日から1月22日まで 金星

3月5日から3月13日まで 太陽

3月24日から4月4日まで 水星

4月9日から4月15日まで 金星

4月26日から5月5日まで 火星

6月8日から6月24日まで 太陽、金星

9月1日から9月21日まで 太陽、金星、火星

 

 アスペクトのうち、90度と270度は、もっとも大きな試練をあらわすとされている。2019年には木星が海王星に対して270度を形成するが、これは、木星と海王星がコンジャンクションになる2022年4月を前に、最後に形成するスクエア、ウェイニングスクエアと呼ばれるものである。90度の、ワクシングスクエアが、行動における危機を象徴するのに対して、ウェイニングスクエアは、意識や精神の危機だと考えられる。木星と海王星が形成するウェイニングスクエアは、深刻な幻滅の結果として起こる精神的な危機の危険性を象徴する。それは、国家の指導者や企業のトップ、学術機関や宗教指導者等、権威を持つ誰かに対する信頼が損なわれることに関連しているかもしれない。

 木星と射手座の原理、そして海王星と魚座の原理をウェイニングスクエアの原理に沿って結びつけてみれば、自然現象、経済、政治的リーダーシップに見られる凶兆に対して、大衆を過度に無頓着にしていくエビデンスであると理解できるだろう。

 では、それぞれが自らが支配するサインに在泊する。この木星・海王星ウェイニングスクエアのもとで、いったいどういうことが起こるのか。それは精神や意識の危機へとつながるショックであり、また、誰かに対する信頼感の危機へとつながるショックである。

 

「金融市場」

 木星が誇張と豊富さを意味するなら、海王星は非合理、不合理を意味する。そうすると、木星・海王星、射手座・魚座のコンビネーションは、金融バブルが製造されるための原料だと言える。

 2018年が終わるとともに、世界経済は成長を続け、米国、インド、オーストラリア、日本、アルゼンチン等の世界の多くの株式指数は史上最高値や数年ぶりの高値に舞い上がる。ここに潜む危険は、それらの経済と株式指数が火のサインである射手座の木星によってオーバーヒートしてしまうことである。木星が自ら支配する射手座に在泊するときに株式市場がピークアウトして、その後急落し、1年から2年の間下落するということつにいては、いくつかの先例がある。

 

「浪費とインフレーション」

 成長、誇張、放縦、過剰をもたらす射手座の木星が、願いと希望を支配する魚座の海王星とハードに結びつく事象は、中央銀行の予測を超えてインフレーションが増大するシグナルとなり得る。雇用は拡大し、世界中で賃金が上昇していく。これは以前とくらべて、ひとびとが自由に使える所得が増大することを意味している。そして銀行は、個人に対して以前より積極的に信用でお金を貸すようになり、それは、国、企業、機関、個人が以前より多くのお金を使い始めることを意味する。こうして彼らは、収入より多くの額を支出するようになる。木星・海王星スクエアの下では、現況が永遠に続くという妄想が生じやすい。それは、非合理的な活況の純然たる一例であり、個人消費ブームとして具体化しそうである。また、政府や企業も経済は成長し、あとは自然になんとかなっていくという信条の下に消費景気に相乗りし、世界の国々と企業が抱える負債は増え続ける。しかしながら、それも結局は単なる希望的観測に過ぎなかったことが判明する。木星が射手座を通過する間はよいように見えるかもしれない。だが、海王星とスクエアを形成するとき個人のレベルでも、政府のレベルでも、財政規律はゆるやかになりがぢである。この種のなれきった自己満足は、たちまちにして債務不履行、破産、信用格下げなどの金融問題をともなうインフレーションへとすすんでいく。

 

「金利」

 政府と企業が支出とそれによる負債を増大させ、消費財の値上がりとともに世界経済がヒートアップしていくにつれて、金利引き上げは必須となる。木星が射手座を通過し、魚座の海王星にスクエアを形成する期間中のどこかで、中央銀行が、より高いインフレーションか、景気後退かの、選択を迫られる時点がくることになる。多くの社債が、ジャンクに格下げされるときがくるだろう。これにはもうひとつの問題が付随する。多くのファンドは政府による規制の対象であり、顧客のポートフォリオにジャンク債を組み込むことはできない。低い格付けの債券がジャンクへと格下げされる状況をきっかけに、こうした債券からは大量の売却が起こる。そして、これは長期債券の利回りを上昇させる。それを防ぐためには、量的緩和の新ラウンドをスタートさせ、長期金利を抑制するほかないだろう。

 

「天候」

 海王星と魚座は降雨と洪水を支配する。射手座の木星が過剰と誇張を意味することから、2019年は世界中で記録的な洪水が目撃されるかもしれない。気象活動は台風シーズンに入るととりわけ活発化する。注目すべきは、木星・海王星スクエアに対してハードアスペクトを形成する惑星が存在する時期である。

 

「世界貿易」

 射手座の木星は、世界貿易とそれにともなう収益を意味する。しかし、射手座の木星は、他国にとって自国との交易がどの程度必要かを過剰に見積もり、相手に対して埠頭に振る舞うことで生じる衝突も象徴する。貿易相手国同士の友好関係が続く限り、世界経済は射手座の木星から予測される通りの成長を続けることができる。だが、もし、木星・海王星スクエアに示唆されるような不信感や裏切りの感覚と軽視が生じるなら、世界貿易への好機は失われるだろう。

 

「マリファナ、向精神薬、幻覚、依存症」

 木星と海王星の強い影響を受けて、薬物に関する問題はひたすら拡大し続けていく。ことに、内的な平和を求め、肉体、あるいは、精神の不安、痛み、社会的なプレッシャーからの逃避を支配する魚座の海王星の下では、その問題は、果てしない拡散を見せる。しかし、形成されるアスペクトがハードなスクエアであることを考えると、この木星と海王星が、マリファナ等の娯楽的な使用にともない、責任感を欠いた状況をもたらす危険性がある。これが顕著となって、マリファナや他のドラッグに対する取り締まりは厳しくなる可能性がある。

 現在、医師の監督下で処方される向精神薬や、幻覚剤による依存症の克服の問題について、研究がなされている。2019年には、これらの研究が、メディアを通じて関心を集めることになる。しかしながら、注目と同時に、これらの研究やその結果に対しては、多くの批判も寄せられることになる。深刻な被害や死亡例が報告されるようなことがあれば、事態は悪化する。そのような報告の一部には、すばらしい成果やひどい被害を捏造したようなものも含まれるかもしれない。木星・海王星は、自分自身の信条に反する何か、あるいは、誰かを攻撃するために捏造されるデマゴギーをも意味している。

 

「宗教スキャンダルと狂信性」

 木星と海王星、そして、射手座と魚座は、いずれも世界の宗教を支配している。この時期、宗教も焦点化することになる。射手座の木星と魚座の海王星のハードアスペクトに見られるようなスキャンダルと狂信性があるなら、ポジティブなものではないだろう。

 

「政治家と著名人のスキャンダル、そして責任回避」

 スクエアを形成する木星と海王星は、あらゆる誤りの温床である。それは、判断や行動の誤りとして表面化するかもしれない。しかしながら、木星と海王星は、何かの発覚をまぬかれようとするくわだてや、自分が犯した誤りや、与えた損害を、他者のせいにするたくらみをも示唆している。隠し事は、露呈し、スキャンダルとなって世間を騒がすことになる。スケープゴートに罪を着せるようなたくらみもあり、その場合、犠牲となった者が、その嫌疑に対して反証を用意することができなければ、犠牲者をスキャンダルの渦中へと追いやることになる。いずれにせよ、ひとの目を欺く行為の結果、それまでよかった評判は地に落ちることになる。

 

「善、悪、そして醜悪」

 木星と海王星がアスペクトを形成するタイミングではいつも、スピリチュアルな成長の機会がもたらされる。木星は拡大志向であり、海王星は内的な領域、瞑想、呼吸法、ヨガ、祈祷、読経等の、精神世界の修練を通じてえられる内的な平穏を支配している。これらの活動は、深い内的な平安へとひとびとをいざない、自らの裡に存在する、美の世界を体験する可能性へと導く。これらは、これまで以上に、集合的な心理を、精神世界的な活動への欲求へと覚醒させるかもしれない。ヨガスタジオの会員が増加して、経営の成功モデルとなるかもしれない。それは、内的な成長を促進する活動への要求が増大することの結果である。あるいは、困っているひとを助けようという取り組みが盛んに宣伝されるようになるかもしれない。2019年は、ニュースメディアを通じて、チャリティ募金、チャリティコンサート、チャリティイベント、ボランティア活動に注目が集まる。これらは、木星と海王星の善の部分である。いつでも、そうしようと思えばできることではあるが、木星と海王星がアスペクトを形成するタイミングでは、顕著になる。こうして、これらふたつの惑星は、スピリチュアルな思考や表現、精神世界の直接的な体験を助長する雰囲気をつくりあげていく。

 この惑星の配置による、ネガティブな側面は、集合的なだまされやすさと、自己満足に陥りやすい傾向である。そこには、実際にはそうではない可能性があるにもかかわらず、自国の経済はコントロールされており、国家の安全保障も万全だと思い込む無頓着さが存在している。しかしながら、2019年の終わりから、2020年にかけて、山羊座の木星、土星、冥王星がもたらす厳しい現実が訪れたとき、大きな失望につながるかもしれない。

 木星、海王星のウェイニングスクエアの下で最も気がかりな可能性は、世界の主要国が繁栄の時代をより強固で長続きさせるために、相互に利益をもたらす強力な貿易協定を締結する機会が失われることだ。こうした機会を失った上に、増大する支出と財政赤字が重なれば、現在の経済成長のトレンドは転換し、金融パニックとヒステリー状態に導かれるだろう。それに加え、宗教的な狂信性、噂やデマを利用して無実の人々の評判を傷つける行為、自分の行動や決定の責任を回避しようとする心理が蔓延すれば、多くのスキャンダルが生み出されて集合心理に影響を与え、政府、宗教、企業などの指導者に対する不信感を生み出す。  わたしたちが、今後2年間を過ぎ越してから、2019年を振り返るとき、それはまるで一時的な躁状態の年だったように感じられるだろう。確かに面白い年だった。そして、楽しい日々は、突然、終わりを告げる。それは指導者達による疑わしい、しかも、おそらくは愚かな、決定の結果だった。しかしながらそのよう行為を可能にしたのは自己満足に浸りきって危険な兆候を見逃し、責任を追及することをおろそかにした大衆である。これが、魚座の海王星にスクエアを形成する木星によって描き出された2019年である。そして間を置かずに2020年の山羊座のステリウムがやって来る。それでも、もしここまで述べてきたことを理解し、それらがこの世界に展開していくさまに見切りをつけることができるなら、講じられる対策はいくらでもある。そして多くの決断ができるだろう。それはより強固で安定した経済をともなう、有益な結果へとつながっていく。実際、行動する勇気を持ちあわせ、慎重に考えた上で、リスクを選んだ者は、非常に好ましい結果を得ることも可能である。その機会は今後2年のうちに訪れることになる。

 

 

 

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