元巨人の盗塁王、国内のSL全て撮影…写真集に | 星が語る『Star』~Astrology Cafe~

元巨人の盗塁王、国内のSL全て撮影…写真集に

元巨人の盗塁王、国内のSL全て撮影…写真集に

 プロ野球横浜大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)などで活躍した屋鋪(やしき)要さん(54)が、7年2か月かけて、個人所有など非公開の一部を除き、全国で見ることのできる蒸気機関車(SL)の全てを撮影、写真集を出版した。
 その数601両。30日、京都・梅小路蒸気機関車館でトークショーを開き、撮影の思い出を語る。
 大阪出身の屋鋪さんは1978年、三田学園(兵庫)から横浜へ外野手として入団。俊足巧打の選手で上位打線を組む「スーパーカートリオ」の一人で、読売巨人軍でも選手、コーチを務めた。プロ18年間でセ・リーグ盗塁王3度、ゴールデングラブ賞を5度獲得した。
 小学生の頃、SLの写真集を見て魅了され、鉄道ファンに。カメラが趣味の父の貢さんが北海道や三重県でSLを見せてくれた。
 野球が忙しくなった中学以降は鉄道趣味とは疎遠になったが、引退後の2006年4月、長男と訪れた東京・神田の交通博物館(閉館)で、父と北海道で見た「C57形135号機」と再会。1975年12月、旧国鉄最後のSLによる定期旅客列車を牽引(けんいん)した機関車で、屋鋪さんは「父と一緒に見た『蒸機』(SL)を今度は息子と一緒に見る。胸が熱くなった」。
 これ以降、各地のSLを調べ上げた。旧国鉄SLに加え、炭鉱などの産業用SLまで約630両残っていると見積もり、全国を飛び回っての少年野球教室の合間などに、博物館や公園で撮影した。
 最多82両を撮影した北海道は10回以上訪問。昨年6月、沖縄・南大東島に渡り、サトウキビ輸送に使われた1両で全て撮り終えた。今年2月、撮影日記も盛り込んだ写真集を出版した。
 屋鋪さんは「状態は様々だが、日本の産業を支えた車両ばかり。いつまでも姿をとどめてほしい」と話す。
 写真集「屋鋪要の保存蒸機完全制覇」はネコ・パブリッシング発行で、B5判145ページ。1714円(税抜き)。