351歩目:《極私的育児論その2》感謝は腰をいれて言え。 | 河原尚子ブログ | sione - Springshow スプリングショウ

351歩目:《極私的育児論その2》感謝は腰をいれて言え。

極極、私的な育児論。
論などというには、ほど遠い。
単なるつぶやきである。

なんとなく友人に漏らした事がある。 「少子化は制度の問題ではない。社会的な目線問題だ」 女性が社会に進出したとはいえ、 イクメンという言葉は流行して 男性が育児をしようという風潮になってきたとはいえ、 なんとなく、いつも私は社会的な目線や固定概念にやられていた。 人に評価なんてされなくても、いい。 自分たちがどのように家族をつくっていくか、だ!!
なんてことを家庭では言っていたとしても。


産後、周囲の協力のもと 夫と一緒に家族のルールを1から設計し、 夫と一緒に子供を育てはじめて、家事も分業した。 女性しかできない物理的な仕事は、授乳のみなはず! 精神的なところは今後きっとあるだろうけど、補い合おうと。 そして、1ヶ月半で、会社に復帰した。 会社経営もしているので、そんなには休めないよな、とは思っていたし、 復帰のタイミングは早すぎず遅すぎないくらいではあった。 そこから8ヶ月までは、ほぼ毎日一緒に出社した。 新規のクライアント以外は、娘も一緒に打ち合わせにで、おむつをかえ、 育児の記事をふむふむと読んだり、寝ている隙間に猛烈に仕事をしたりした。 この時に、一緒に成長を見守ってくれたスタッフのみなさんには本当に感謝している。 それと同時にこのころから、なんとなく生きづらさを感じていた。 どこにいっても「旦那さんすごいですね。イクメンですね。」とまずほめられる 「おっおお、、ありがとうございます。」 いいなあー男は。抱っこ紐つけてるだけでほめられて、、、 そんな事を1mmも思わなかったかというとそうではない。 おまけに夫は、SNSなどで娘との写真をよくアップしているので 夫がほぼ育てていると思っている人もいた。 「いつも旦那様が見てられるんですね。」 「ママといなくて大丈夫なんですか?」 ー 「おかげさまで、、、」「いやあ、ほんとに、、、」 「本当に恵まれてますー。」「 一言一言の言葉を、真剣に、そしてにこやかに返していく度に なにかオリのようなものが心に溜っていくのを感じた。

そんなものをためる必要なんてないじゃない。
そう思えば思うほど、なにか言葉にならないものが、のどの奥に引っかかった。
得体の知れないモヤモヤを吹き飛ばそうとした。 感謝すべき事なのだ。だって、こんなにも協力してもらえる人がたくさんいるんだもの。 そしてある日、 ほっと一息、友人と気分良く食事をした後に 支払いの時に店主から「旦那さんがかわいそう。」「赤ちゃんかわいそう」と言われた。 心底疲れてしまった。 そのときに解った。 そうか、これが社会の《目》なのだ、と。 これを、ワーキングマザーは 毎日払いのけて、仕事をする意味を見いだして、社会に出ていかねばならない。 同等の稼ぎを得る人も、そうで無い人も、 子供という存在と寂しくも離れる以上の意義を 社会に求めなければならない。 いや自分でつくり出さねばならない。 それほど、子供の存在は大きかった。 自分の為だけではできない「何か」なのだと思った。
それから、
さらに深く、「働く意味」を考えるようになった。

そして、それが、なぜ「私」がしなくては行けないことなのか。ということも。