夕闇が近づくにつれ、秋の空は冷たく空気がツンと張ったように冷え込んでくる。辺りはまだ夜と言うには早い時刻なのに、人っ子一人見えない…
しんと静まり返った町は、あの世のようであった…
キムの屋敷は、テマンの言っていた通りそれほど遠くにはなかった。古街道沿いのこの小さな町の中にたった一つだけある大きな屋敷…
他の商店の家々などは人が住んでいるのかと疑ってしまうほどの家だった…ヨンイルの村よりもひどい有様だったのだ…これは…本当になんとかせねばならぬとチェ・ヨンはグッと気を入れ直す。
門番に気付かれぬよう距離をおく。
「テマン!それから…ヨンホ!先に中に潜入し探ってくれ!1刻待つ…報告に参れ!その後、俺達は正面突破だ!チュンソク、準備は良いな!」
「はっ!大護軍!いつでも!」
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きっかり1刻後…二人が別々の所から戻ってきた。
「テマン!報告を!」
「はっ!ひ、昼間、村人と共に来た時に見聞きしたキムという郡守が中におりました!ご、護衛の者は5名…それほどの使い手には見えませんでした!」
「そうであるな…家中見てきたが…大したことはあるまいて…俺一人でもなんとかなりそうな屋敷である。しかもこ奴ら…肥えに肥えておる…ぶくぶくとな。この町にこの家を襲う者などおらぬのであろう…それから、あそこが見えるか?あれが蔵のようだ…一番あそこの周りに人がおる。はは!己の命より大事なのであろうな!馬鹿な男よ!」
「ヨンホ!テマン!迂達赤から数名を連れ、蔵の警備の者達を静かに取り押さえておいてくれ!出来るか?」
「あぁ、わかった」
「はっ!大護軍、お任せを」
「良し!では行け!…さてそろそろ俺たちも行くとするか、チュンソク!参るぞ!」
「はっ!いつでも!」
チェ・ヨンが、のんびりと馬に揺られキムの家の門番に声をかける。
「ここはキム・ソンミン様のお屋敷であるか?」
「あぁ、そうだ。お前たちは誰だ?このような時間に何のようだ!?」
と、槍をこちらに向けてくる。
「某は、大護軍チェ・ヨンと申す。開京へ戻る途中なのだが、宿がなくて困っておる。この町には宿というものがないようであるな?町の者達に聞き及んだところ…こちらのキム郡守のお屋敷ならば泊めてもらえるのではないかと申しておったので、こうして参ったのだが…」
「て、大護軍様!?な、中に入り少しお待ち下さい!聞いて参ります!」
「あぁ、すまぬな」
「大護軍、上手く中に入れましたね。」
「チュンソク、あれを用意しておいてくれ。ここは出来れば人を殺めずに済ませたいのだ」
そう…出来るだけ血の匂いをつけてウンスの元に帰りたくなかった。相手が元なら致し方ないが、このような田舎の郡守や、まして私兵たちなど斬り捨てても何もならない。
静かに辺りを人が動いているのが分かる。チェ・ヨンは、チュンソクに目で合図を送る。迂達赤が影のように動き出す。程なくして、先程の門番に伴われて郡守本人と思われる、でっぷりと太った男が小走りでやってきた。
「これはこれはようこそおいで下さいました、大護軍様。私は、キム・ソンミンと申します。何もない所ではございますが、このような所で宜しければどうぞお泊りくださいませ」
「すまぬな…突然に。某はチェ・ヨンと申す。こ奴らは迂達赤の者達だ。よろしく頼む」
「はい、今簡単な夕餉と酒の用意をさせておりますので、どうぞこちらへ」
「ああ、手間をかけるな」
********
中に入るとそこは…胸糞悪くなるほどの室内であった。壁が朱色に塗られ柱には金箔が貼り付けられている。そして黄金で出来ているであろう置物がそこかしこに置かれていた。皆から奪った税でこのような贅沢三昧をしているのかと思うと、斬り捨ててしまいたくなる。
「ささ、どうぞ」
通された部屋に入ると、夕餉と共に若い…いや幼いと言ったほうが良いような娘たちが半裸で彼らを待ち受けていた。おそらく連れ去られた娘たちであろう。その目は何も見ておらず、全てを諦めた老婆のようであった。チュンソクはじめ迂達赤の顔色が変わる。皆下を向き拳を握り締め、殴り倒したい衝動を堪えていた。
「郡守…この者たちは?」
「お気に召しませぬか?」
「飯だけで良い。この者たちを下がらせてやってくれ。女人などいなくても酒は呑める」
「左様でございますか?では…お前たち!下がりなさい!さぁ、それではどうぞお食事をお召し上がり下さい…」













皆様こんにちは~
三連休のなか日
いかがお過ごしでしょうか
私は引っ越しはもう手伝わなくても大丈夫と言われたので
ダランダランしとります
お話もダランダランでごめんね
iPhone6買うのを諦めた私は、壊れかけの今のiPhoneちゃんを持って交換しに行って来ます
面倒くさいよ~~
でもね、あれからも何度も画面が真っ暗に死んでしまうので、今の内に直しておかないとヤバい気がするので
では、良い休日を
アンニョン
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