村の中心にある広場へ村人達が肩を落とし、ぞろぞろと決まりごとのように集まってくる。
みな、このような朝早くから何をしに集まって来ておるのだろう…それに山を下ってくる奴らは何なのだ?
「長、これは何事であるか?それに…こちらに向かってくる奴らは何者だ?」
チェ・ヨンは長のヨンイルを見つけ、問いただした。
「はい…突然このように前触れもなくキムの手の者たちが税と称して、村にあるほんの僅かな食料や川で集めた少しの砂金、動物のなめし革など…目に付くものを手当たり次第に奪っていくのです。朝早くなら全ての村人がおりますので、必ずこの時間に…昔はこちらから納めに参っておりましたが、キムの奴が…隠している物はないかと、取り立てに来るようになったのです…気に入った女子や若い男達まで…」
「そういうことであったか…それなら、どこかに隠しておけば良いのではないか?」
「…はい…だいぶ昔のことになりますが…20年程前に一度そのようにした事があるのです…ですが税が少なすぎると怒り出し…その代償は余りにも大きく…我らはそれから全てを諦めました…逆らわず言われたものを差し出せば、命ばかりはとられませんので…そのような経緯で納めるものがなくなると、山賊まがいの事をしておるのです」
「……そうか……どこかに隠れる場所はないか?俺達がここにいてはまずい。キムとやらが金品や帳簿を隠す前に捕らえたいのだ。隠されては証拠がなく捕らえられん。我等はどうみても旅人には見えぬであろうし、なにより医仙を隠さねば…奴らはここの村人の人数を把握しておるのか?」
「はい、もちろんでございます…それこそ帳簿がございまして…年格好まで書かれておるようです。では、私の家にどうぞ…前の長の家を私がそのままに引き継いでおるのですが…実は隠し部屋が掘ってございまして…。3~4人くらいでしたら中にゆっくり入れるかと。ただ馬はどうされますか?見つかればどうしたと詮索されるでしょうから…」
チェ・ヨンは不安げなウンスの手を強く握りしめ、大丈夫だとばかりに頷いた。
「テマン!」
「はい!大護軍!」
「お前はすぐ馬に乗り、見つからぬよう近くの山に隠れておれ!良いな!」
「はっ!」
「トクマン!」
「はい!」
「馬に荷を積み込むのを手伝ってやれ!急ぐのだぞ!その後で長の家に来い!では長…案内を頼む。さぁイムジャ…参りましょう…馬が1頭しかおらぬので、そちらはテマンに任せ、俺と隠れておった方が危険が少ないでしょう…あんな奴ら、俺一人で何とでもなるのだが…」
「えぇ、静かに隠れていれば良いのよね?大丈夫よ。あなたを信じてるから」
「あなたを危ない目には合わせませぬ。」
******
「さぁ、こちらです…中は真っ暗ですのでこの灯りをどうぞ」
「すまぬな…。長、これを…。奪ったとでも言えば良いであろう…」
チェ・ヨンは長に銀子を渡した。
「このような大金…頂けません」
「宿賃とでも思うてくれ。もし金が足りぬと言われた時に出せば良い」
「何から何までありがとうございます…」
隠し部屋の中はもちろん窓は無く、確かに墨を撒いたように真っ暗であった…。ほんの小さな灯りでも中の様子がわかりほっとするウンス。中は空っぽで何も無く、棚の中はがらんとしていた。本当に貧しいのだと感じた…
すぐに、トクマンもやって来る。
「テマンは、奴らに見つからずに遠くへ逃げられたか?」
「はい!大護軍!気付かれずに向こうの林の中へ隠れております。奴らですが、あと1刻もかからずに村へ到着すると思われます」
「そうか…俺達はここで静かに出て行くのを待つしかないな。揉め事がないと良いが…」
1刻もかからずに、キムの私兵達がやってきたようだ。大きな声で怒鳴っているのが聞こえる。全ての家々を調べているようだ。3人の真上を何人も歩き、ガチャガチャと何かが割れるような音や物がひっくり返される音がひっきりなしに聞こえる。
チェ・ヨンは、念のためウンスが声を出さぬよう、後から口を押える。こんな時なのに、ウンスの柔らかな唇の感触と、濡れた吐息が手の平から伝わり、腹の奥がグッと熱くなるのを感じる…。
ようやく長の家から私兵達が出て行ったようで、静かになった。すると、直ぐに外から女の子の泣き叫ぶ声が聞こえてきた。
嫌だ…行かない…お母さん助けてと泣き叫んでいるようだ。それを聞きつけたウンスが飛び出そうとしている!
「イムジャ!だめです!必ず俺が後で助けだしますから、今は辛抱してください!」
ウンスの腕を掴み引き留めている。
「だって…この声…まだこの娘10代よ!さっきあそこに居た可愛い娘よね?何されるかわかるでしょ?ねぇチェ・ヨン…心が傷ついたら、縫合なんて出来ないのよ…つける薬もない…私でも治してあげられないかもしれない…お願いだから行かせて」
「ありえません。では俺が奴らを全員斬り捨てても良いのですね?」
「チェ・ヨン!」
「静かに…俺が信じられませんか?」
ウンスの目には涙が溢れている…
「女の子にとって、本当に辛いことなの。しかも親からも離されて…」
「わかっております。あの娘が何かされる前に必ず助け出しましょう。ですから無茶を言わんで下さい。イムジャ…俺を殺す気ですか?あなたを縛り付けてでも引き止めます」
黙って聞いていたトクマンが、自分が後をつけるので医仙様ご心配なく…と行ってそっと外へ出ていった。
「チェ・ヨン…」
チェ・ヨンは泣いているウンスを抱き寄せる。
「はぁ…あなたは相変わらずなのですね…。もう少し自分の心配もして下さらぬか」
「ごめんなさい…」
心の中で深い溜息をつきながら、キム・ソンミンを捕らえ、奴にに連れ去られた者達を助け出す手立てを考え思いを馳せるチェ・ヨンであった…









こんばんは
こんな時間にごめんなすって
だらだら呑んでたら
遅くなってしまいました
で
今更ですが、大護軍に直しますね
最初に大将軍って間違えたまま(ドラマ内でウンスがチェ・ヨン大将軍と言ってたのでそのままに)
最終回で、大護軍だったのも知ってたんですけど、なんかその流れのままに来てしまい
やっぱりなんか違和感あるね
と思いだしたので
過去記事も順次直せたらと思ってますヨン
いつかね
てな訳で明日は娘と出来たばかりのジャスコでデート
←(どんな訳?)
日本発、4Dの映画館もあるんでっせ
めちゃくちゃ嬉しい
はるでした

では夜分すみませんでした
あっ!0時過ぎましたね
今日10月26日は次男坊の誕生日っす
21歳になったのかな
おやすみなさい
ポチッとして頂けたら嬉しいですヨン


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