見知らぬ己 13 | 信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

シンイの二次小説を書かせて頂いております。
読み終わった後に、心がほんわかあったかくなるような、物語を綴っていきたいです。

ソナが暗闇に紛れて走って逃げる!子供の頃から暗闇には慣れている。目隠ししても戦えるよう訓練されているのだ。


ジフはなるべく戦わずして、自分も逃げようと思っていた。相手をしてしまえば、気付かれてしまうかもしれないからだ。


1人がソナを追いかけようとしたので、足を引っ掛け転ばせる。


「お客様方は、チョ・グァヌン様の所の護衛の方ではございませんか?何用でしょうか。」


「死にたいのか?そこをどけ!」


「ソナになんの用があるのかと聞いてるんだが?」


「聞かずともわかっておろう。チョ・グァヌン様があの女と寝たいと言っているのだ。」


また、1人が後を追おうとしたので、頭を狙い落ちていた石を投げる。気を失ったようだ。


「お前!俺たちとやる気か!?」


「俺は妓生を守るのが仕事でね…。」


後ろを見ると、ソナは見えなくなっており、ジフは安心した。もう少し時間稼ぎをして逃げようと思っていた所を、振り向きざまに1人の男に小刀を投げられた!反応がほんの一瞬遅れていたら片目が潰れていた所だった…。頬を小刀が掠めた!

(ちっ!面倒くせぇな…)

1人が剣を抜き切りかかって来たので、左へ避け剣を持つ手首を殴り、剣を落とし男の腕をねじりあげる。


「このまま、引き下がってもらえませんかね…。


「俺たちも遊びではない。女を連れ帰らねば戻れぬ。」


「あと数日お待ち頂くお約束でしたが?」


「我らの主は、すぐに気が変わるのだ」

(俺を迂達赤だと知らねえんだから、やっちまうか?)

ジフは、やっぱりやられるのは性に合わないと、この2人も片ずけてしまうことに決めた。

1人はそのまま首に手刀で一撃を加え、気絶させる。あと一人…こいつが厄介そうである。足元の剣を使いたいところだが、今は丁稚なのだ…。

木の枝が落ちていたのが目に入る。これでやるか?折れちまうだろうなと思ったが、今はやるしかないのだ。

男が切りかかってきたので、寸でのところでよけ手首を木の枝で払おうとしたが読まれていた。こいつの方は隙がないのだ。

剣が脇腹をかすめる。

(ちっ!さ~て、どうするか?)

ジフが悩んでいると、突然男がうっ!と言って倒れた。背中にはソナの小刀が刺さっている。見ると着替えたソナが、いつもの格好でそこに立っていたのだった。

「お前!逃げろと言っただろ?なんで戻って来るんだ、馬鹿野郎!ほら逃げるぞ!」

石に当たり気を失っていた男が目を覚ます。

「うっ…くそ、いてぇ…待ちやがれ…おい、お前たち大丈夫か?しっかりしろ!」


ジフは刺さった小刀を引き抜き、ソナの手を引くと、馬に飛び乗り闇に紛れて夜の町を駆け抜ける。

秋風が二人の熱い頬を冷やすように撫でていき、こんな時なのに心地良いと感じていた。


ふと、気付くといつの間にかジフは、自分の生家に来ていたようだ。歳の離れた兄のトルベが亡くなったのは5.6歳の頃…。あれから20年近くがたった。ジフ憧れの、とても優しく格好良い兄だった…。両親も既に他界し姉は嫁にいってしまったので、この家には誰も居ない。この家に足を踏み入れるのは、迂達赤に入ってから3度目の事である。たまに近くに住む叔母が、掃除に来てくれる。


「ほら、降りろよ。」

先に馬から降りたジフが手を差し伸べると、意外にもソナがその手を握り馬からおりる。


「ここはどこなの?」


「俺の家だ。誰もいないから遠慮すんな。ほら、こっちだよ。」 


ソナの手を繋ぎ、中に入る。しばらく空気を入れ替えていないので、少し埃っぽい匂いがする。窓を開けると秋風が家中を清めてくれるようだった。


ジフが灯りをともすと、ソナが驚いた顔をする。


さっき小刀が掠ったジフの顔の傷にそっと手を当てる。脇腹の怪我にも気付いた。


ごめんなさい。綺麗な顔に傷が…私なんか庇わなくて良かったのに…初めから一緒に戦えばよかった…」


ソナの頬を涙が落ちる…


 「男の顔に傷の一つや二つあって当然だ。お前じゃなくて本当に良かった。無茶ばかりするなと言ったろ?」


 そういうとソナの手を掴み、自分の方へ引き寄せる。


 「もう頼むから泣くな…その泣き方に弱いんだよ…大丈夫だから安心しろ。なっ?」


 ジフはソナの瞼に口付けをする。次は反対の瞼…頬、鼻…そして最後は唇へ…


一瞬驚いて身を引こうとしたソナだが、ジフに身を預ける事にした。


 「たいした女だよ、ソナ…この俺が先に本気で惚れちまうとは…初めてかもしれねぇな…。ソナ、頼みがあるんだ。もう武閣氏は辞めてくれないか?指導の方にまわってほしい。無茶なお前が心配でしかたねぇ……危なっかしくて、見てられねぇから、俺がずっと側にいてやるよ。俺がお前を守る戦士になってやる。お前の変わりに俺が戦うから…だめか?」


 子供の頃から戦うことだけを心と体に叩き込まれてきたソナは、戸惑っていた…。自分は本当に女に戻っても良いのか…。チェ・尚宮様はなんとおっしゃるだろう。ジフの目は、いつものふざけたジフではなく真剣なのだと物語っていた。ジフの胸に耳を当てると、自分と同じようにドキドキしていた。彼の胸に手を当てながら話す。


「あなたも緊張することなんてあるのね?私と速さが同じだわ…」


 「あぁ、かっこわるいだろ?今の俺には余裕なんてねぇ…人を好きになるって良いもんだな…初めて知ったよ。お前のおかげだ…。返事…くれないのか?」


 「…本当は私の負けよ…悔しいけど、あなたが好きみたい…。武閣氏の方はチェ・尚宮様に伺ってからにするわ。でも、前から指導を頼まれていたから大丈夫だと思うわ。」


「ソナ…ありがとう。」 

ソナの髪を縛っている紐を解き、髪を手櫛で整える。


「綺麗な髪だな…」

髪をかき上げながら、口付けをしようとしたが、ソナが下を向いてしまう。


「嫌か?すまない…。お前といるとダメだ。顔を洗ってくるわ」


行こうとする手をソナがパッとつかむ。


「嫌じゃない…嫌じゃないから困ってるの…初めての事ばかりで…どうしたら良いのかわからなくて…」


「お前の初めては、全部俺のものだな…」


ソナがジフの顔の傷に唇をそっとつける。震えているようだった。


「…ソナ、抱いても良いか?」


「ぇ……」下を俯いたまま、小さく頷いた…。

 






こんにちは

ここまで長かった~~

あとちょいとで終わりますね

次回はレターシリーズのアップのつもりですヨン

長いことお付き合い頂きありがとうございました

新しいシリーズ、何にしょうか考え中

それか普通に、ストップしてる第3巻書こうかな

ん~~ん~~


まっ、いっかそのうち答えがやってくる


娘とデートに行って参ります


ではアンニョンパー


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