「俺の家だ。誰もいないから遠慮すんな。ほら、こっちだよ。」
ソナの手を繋ぎ、中に入る。しばらく空気を入れ替えていないので、少し埃っぽい匂いがする。窓を開けると秋風が家中を清めてくれるようだった。
ジフが灯りをともすと、ソナが驚いた顔をする。
さっき小刀が掠ったジフの顔の傷にそっと手を当てる。脇腹の怪我にも気付いた。
「ごめんなさい。綺麗な顔に傷が…私なんか庇わなくて良かったのに…初めから一緒に戦えばよかった…」
ソナの頬を涙が落ちる…
「男の顔に傷の一つや二つあって当然だ。お前じゃなくて本当に良かった。無茶ばかりするなと言ったろ?」
そういうとソナの手を掴み、自分の方へ引き寄せる。
「もう頼むから泣くな…その泣き方に弱いんだよ…大丈夫だから安心しろ。なっ?」
ジフはソナの瞼に口付けをする。次は反対の瞼…頬、鼻…そして最後は唇へ…
一瞬驚いて身を引こうとしたソナだが、ジフに身を預ける事にした。
「たいした女だよ、ソナ…この俺が先に本気で惚れちまうとは…初めてかもしれねぇな…。ソナ、頼みがあるんだ。もう武閣氏は辞めてくれないか?指導の方にまわってほしい。無茶なお前が心配でしかたねぇ……危なっかしくて、見てられねぇから、俺がずっと側にいてやるよ。俺がお前を守る戦士になってやる。お前の変わりに俺が戦うから…だめか?」
子供の頃から戦うことだけを心と体に叩き込まれてきたソナは、戸惑っていた…。自分は本当に女に戻っても良いのか…。チェ・尚宮様はなんとおっしゃるだろう。ジフの目は、いつものふざけたジフではなく真剣なのだと物語っていた。ジフの胸に耳を当てると、自分と同じようにドキドキしていた。彼の胸に手を当てながら話す。
「あなたも緊張することなんてあるのね?私と速さが同じだわ…」
「あぁ、かっこわるいだろ?今の俺には余裕なんてねぇ…人を好きになるって良いもんだな…初めて知ったよ。お前のおかげだ…。返事…くれないのか?」
「…本当は私の負けよ…悔しいけど、あなたが好きみたい…。武閣氏の方はチェ・尚宮様に伺ってからにするわ。でも、前から指導を頼まれていたから大丈夫だと思うわ。」
「ソナ…ありがとう。」
ソナの髪を縛っている紐を解き、髪を手櫛で整える。
「綺麗な髪だな…」
髪をかき上げながら、口付けをしようとしたが、ソナが下を向いてしまう。
「嫌か?すまない…。お前といるとダメだ。顔を洗ってくるわ」
行こうとする手をソナがパッとつかむ。
「嫌じゃない…嫌じゃないから困ってるの…初めての事ばかりで…どうしたら良いのかわからなくて…」
「お前の初めては、全部俺のものだな…」
ソナがジフの顔の傷に唇をそっとつける。震えているようだった。
「…ソナ、抱いても良いか?」
「ぇ……」下を俯いたまま、小さく頷いた…。















こんにちは
ここまで長かった~~
あとちょいとで終わりますね
次回はレターシリーズのアップのつもりですヨン
長いことお付き合い頂きありがとうございました
新しいシリーズ、何にしょうか考え中
それか普通に、ストップしてる第3巻書こうかな
ん~~
ん~~
まっ、いっか
そのうち答えがやってくる
娘とデートに行って参ります
ではアンニョン

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