イムジャが天へ召されてから,初めての秋夕が訪れました。
あれから一月…俺は何をしていたのでしょうか。何も思い出せないのです…
いつも俺の隣にはあなたがいた…。俺の横で太陽のように笑い温もりを下さったイムジャ…今俺の心はまた、凍てついた湖の中に引きずり込まれてしまいそうです…。
イムジャに出逢うまでの俺は、伯母上と二人で秋夕を迎えていました。伯母上が忙しい時などは俺一人で…。あの頃はそれが当たり前だと思っていたのです。この墓を守るのは俺か伯母上でもう最後だと…後を頼める親族もいなかった。
しかし今の俺には、あなたが俺に与えてくれた家族がいる。今も俺の隣には子供達が…俺は一人ではないのですね?この先も俺とイムジャの血がこうして紡ぎ繋がれていく…
でも、イムジャのおらぬこの世になど何の未練もなくなってしまいました。早くあなたの元へ参りたい。それだけが今の俺の望みです。
去年の秋夕を覚えていますか?暑い最中、ハヌルとパダも来てくれて、4人で伐草しましたね?イムジャは暑い暑いと木陰で一人休んでいましたが、本当は病のせいで眩暈がしていたのでしょう。気付いていました…。軽くなったあなたを俺が背負って帰りましたね。パダがおんぶすると言ったけれど、あなたを背負うのは俺の役目なのですから、これだけは子供であろうと譲れなかった。
大きな満月を二人愛でながら、ソンピョンを食べました。あなたは医員のくせに慌てて食し、喉に詰まらせて…俺があの時どんなに焦ったか。全くイムジャは幾つになろうと目が離せない。
来年も一緒に月を見たいわねと淋しそうに言ったイムジャ…本当は見れぬのだとわかっておったのでしょう?あの夜がこの世での最後の秋夕だと…
あなたの病に気付いておった俺は、大きな月を見上げる振りをして、涙が零れ落ちぬよう丹田に息をためておったのです…。
私が先にお墓に入ったらソンピョンとお酒を供えてね、あとご飯は大盛でと微笑むあなた…。俺が先かもしれませんよと言うと、それはだめ…あなたの胸に抱かれて逝きたいの、私の一生を守ってくれると約束したでしょ?と俺を脅すイムジャ…。やはり俺はあなたには敵わない…。
昔俺に、約束など破っても良いと言うたのはあなたなのに。ですが武士の約束です。最後まで守り抜きました。もう良いですか?そちらに参っても…懐のあなたの髪が凍った俺の心を解かしてくれる…
最後まで俺を生かそうとして下さった…
早くもう一度あなたに逢いたい…
イムジャ…
こんばんは
昨日は雨だったので、全く見えなかったお月様…今日はとっても良く見えます


やっぱり繋ごうかなと思ってしまいましたよ



夜にコメ返しますね~ん

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