殺さぬように捕らえようと考えていたのだが、無理かもしれんとチェ・ヨンは思った。加減をすれば自分の命が危ういからだ。その位侮れん…。奴の攻撃を左右にかわして間合いをとる!一瞬奴が槍を引く。
刹那!
チェ・ヨンは一気に殺到した!奴の懐へ飛び込む振りをする。当然奴は俺の動きを予想して槍を短く構え刺そうとしたその瞬間、奴の後ろ側まで飛び込み、あいた右手で槍の柄を捉え、ぐいっと後ろに引き、左手の鬼剣を喉元に当てる。一瞬の迷いを捨て剣を横に引いた…。血しぶきがあがる!
片がついた…。
惜しい男を殺めてしまった。しかし、こやつはけして高麗の見方にはならぬであろう…。
目の前で真っ赤な血に染まるこの男…。
こいつがパクだな。この国の人間のくせに、倭寇の仲間となり民を売る逆賊である。…こやつ、誰かに似ておる…。誰だったか…と、チェ・ヨンは思った。
パクに向かい、一歩足を踏み出したその時背後にある、先ほどチェ・ヨンが破壊した扉からチュンソク達が捕虜を連れてぞろぞろと出てきた。みな、煙に噎せてはおるが、焦げてはいない所をみるとやはり煙幕であったようだ、
そしてその目を離した一瞬…
ボンッ!と音がして辺りが煙に覆われると、また何も見えなくなってしまった。ジャポンッと何かが水に落ちた音がした。
チェ・ヨンが慌てて船から川を見下ろすと、パクが必死にバタバタと水面を蹴り、岸へ向かって泳いでいた。
ーテマン!!そいつを捕まえろ!逃がすなよ!
テマンが両手から小刀を出し、パク目掛け走るのを確認し、チェ・ヨンも川へ飛び込んだ!
飛び降りる時、驚き口元に両手を当てるイムジャの姿が、とてもはっきりゆっくりと見えた。
バシャッと大きな水飛沫をあげ、川に落ちる。鎧が重く思うように進まない。必死に泳いでいるのだが、だんだんチェ・ヨンの身体は沈んでしまう…。
溺れかけたチェ・ヨンの顔を誰かが水面に上げさせる。
この細腕は…イムジャ!?
チェ・ヨンの背に周り、首に手をまわし左手で鎧を脱がせている。
そのまま岸へ泳ぎ着くと、ウンスはなんと下着姿であった!
下着が肌にへばりつき、乳や尻の形まではっきりわかる…。美しく妖艶な姿。
迂達赤を見ると、皆ボーッとウンスを見ている!テマンとパクまで止まって見ているではないか…。船の上からも、トクマン達が落ちそうになりながら、覗き込んでいた。
こいつら、全員殺す!
川の水を大量に飲み、むせていたチェ・ヨンは喋りたくとも喋れず、岸辺を見回しウンスの脱いだ服を見つけ濡れた身体に着せた。
ーチェ・ヨン、大丈夫?ゆっくり呼吸して。
そう言って背中を叩いてくれる。
げほげほと噎せてはいたが、だいぶ落ち着いてきた。
ーイムジャ、げほっ…なぜそのような恰好を?…俺を殺す気ですか?
ーだって服を着てたら、重くて泳げないもの。でも水泳は得意だったのよ!子供の頃はカエルのウンスって呼ばれ…て…。
あれ?もしかしてかなり怒ってるのかしら…。
ーイムジャ!助けてもらった事は礼を言います。ですがこのような男だらけの所で、下着になるなど以ての外です!良いですね?2度としないでください!あっ!テマン、そいつを捕らえよ!
ーあっ、あ、は、はい!
テマンがパクを捕まえ拘束する。
ーだって…あなたが溺れてしまって…考えるより先に身体が動いてしまったの…ぐすん…ごめんなさい。もう絶対しないわ…。
ちょっと強く言い過ぎてしまったのかと反省するチェ・ヨン。
ー…俺が溺れたりするから悪かったのですが…。もう、泣かないで…。
そっとウンスを抱き寄せるチェ・ヨン…。
ーチェ・ヨン…大護軍の体面は、良いの?
と、驚き小声で囁くウンス。
ーこいつらには後でしかと身体に覚えさせます。あなだが誰の妻なのか…。それで体面とやらを守りましょう。それより今はあなたをこのまま抱き上げて、今すぐ家へ連れ帰りたい。ここを早く収拾しなければ…。
チェ・ヨンは大護軍の顔に戻った。
捕縛されたパクに向き合う。
ーその方、倭寇の仲間だな?お前は高麗の人間であろう。
ー……。
ーお前は誰だ?やはり誰かににておる。
ー気付いたか!俺はな…。
















こんにちは

チェ・ヨン…愛じゃなくて川で溺れてしまいました

ウンスのセミヌード、迂達赤に披露

迂達赤の運命や、如何に

…で、このパクって男…誰

では、午後からもアンニョン


にほんブログ村