NO.2 | 信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

シンイの二次小説を書かせて頂いております。
読み終わった後に、心がほんわかあったかくなるような、物語を綴っていきたいです。

1枚目の手紙はそれで終わりだった。2枚目を開く。

とても上手なハングルで書かれていた。

 

お爺様、お婆様、ハヌルでございます。

 

この手紙を書いた二日後に母上は亡くなりました。母上が、自分は白血病と言う

血液の病気で、この高麗では治す手立てがないと申しておりました。


父上には言わないでねと笑っておりましたが、体中青あざだらけで…

父上も気がついていたと思います。母上と風呂に入るのが日課でしたから。


ですが、母上はとても幸せそうでした。息をひきとるその時まで、父上の腕に抱かれて笑っていたのです。


「私が居なくてもヤケにならず寝てばかりいないで…ちゃんとご飯も食べるのよ…輝きながら生きて…」

と父上に諭すように申しておりました…

 

息をするのも苦しいはずなのに…私達に、父上をお願いねと、最後まで父上の事を思って逝ってしまいました…


母上の最後の言葉です。

「約束通り、最後まで守ってくれてありがとう…本当に私は幸せだった…いつまでもあなただけを愛しているわ…チェ・ヨン…」

…そう言って息を引き取りました。


父上は、母上の亡骸を冷たくなるまで抱きしめていました…。


母の葬儀は、国葬にて行われ国中の人が涙してくれたのです。

万民平等が口癖の母上でしたから…。私達家族の誇りです。

 

 ですが、それからと言うもの、父上は食事も取らず、起きているのか寝ているのか、わからぬような状態になってしまったのです。


そんなある日、突然道場へやってきて、子供達を指導すると言い出しました。

父上に突然どうしたのかと尋ねると、夢に母上が出てきて、あなたは自分の生を全うしてからこっちへ来いと…

約束を守らないつもりなのかと怒って、足の脛を蹴ったそうな…。


やはり鬼神と呼ばれた父上を、掌で転がせる母上には誰も敵いません…。

 

 しかし、元気だったのも幾日でもなく、父上も母上の後を追うように、初雪の朝一人亡くなっておりました。老衰でした。


見ると父上は、笑っておったのです。きっと母上が迎えに来てくれたのでしょう…。

そして、父上の手には…

 

もう一つの封をあけてもらえますか?父上が胸に大切に大切に抱いていたものが入っています。

 

 

「お父さん、開けてみて」

 

「あぁ…」

 

それはなんと、白髪混じりの柔らかな長く赤い髪…


そしてやはり白髪混じりの黒髪が入っていた…

 

「ウンスや…うぅ…」

「チェ・ヨンさん…」

 

二人は、我慢できず声をあげて嗚咽し涙していた…。

 

 

父上は、母上の亡骸からひと房の髪を切り、懐に入れておったようです。

母上の髪を梳くのも日課でございましたから。


黒い髪は父上のものにございます。

私も良く隣で父上に髪を梳いてもらったのを覚えています…

 

 父上の、書斎から見つけた手紙も同封しています。

ハングルでこちらに記しておきます。

 

 

 父上様、母上様、先日ウンスさんが天に召されました。彼女は私に全てを与えて下さった、天より参った美しき天女にございました。私は、婚儀のお許しを得る時の、武士の約束を果たせたのでしょうか?

私も、もうすぐウンスさんの元へ参ることになるでしょう。二人いつまでも一緒におります。 

もし、先の世に私達の墓が残っておれば、彼女のために参ってやって下さい。

父上様、母上様、私を許して頂きとうございます。

 

                            チェ・ヨン

 

 お爺様、お婆様、私達からもお願い致します。父上をお許し頂けないでしょうか?

母上をこちらの世に引き止め、お二人に逢えぬ運命(さだめ)としたことは、常に気にかかっていたようです。


母上は…何言ってるの、自分で選んだのよと笑い飛ばしておりましたが…

 

 子供の私達から見ても本当に羨ましい二人にございました。常に互いを信じ、愛しそれを言葉にする。

思ってたって気持ちは伝わらないでしょ?母上の口癖でした。私達4人は、父上、母上の子に生まれ、本当に幸せにございました。

 

お爺様、お婆様、何卒ご息災でおってください。母上の願いにございます。

 

この手紙がお二人の手に届きますように…

 

 

                                ハヌル 

                                 パダ

 

 

 

「あなた…今度二人のお墓参りに行きましょう…」

 

「あぁ…ユニさんの家にも行かなくてはいけないな…」

 

「あっ…」

 

その時、どこからか、花の香りのする暖かな風が二人の頬を撫でていった…

 

 

 

「イムジャ…一生お守りいたしますので俺の側におって下さいますか?」

 

「私を守るの大変よ?」

 

「知っております…」

 

「一生を?」

 

「一生です、愛しています、イムジャ…… 」

 

 

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                                            FIN

 



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