あの時のトクマンくん…8 | 信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

シンイの二次小説を書かせて頂いております。
読み終わった後に、心がほんわかあったかくなるような、物語を綴っていきたいです。

今日は、子供達をおいて町に行かないといけないわね。抜糸したり、薬あげたり…あっ!薬屋さんにも行かないと…
そういえば、今日テマンくん見てないけど、どうしたのかしら?

あっ!トクマンくん見つけた!


ートクマンくん、今日テマンくんどうしたの?

ー今日は、大護軍と一緒です。なんですか?

ー町に出掛けたいんだけど、誰か一緒に行ってくれないと行けないから…


チェ・ヨンは、今だにウンスに護衛付きの外出しか許して居ない。これも高麗のため故と言われ、仕方なく従って居るウンスである。

ー私なら、今日は休みなのでお付き合い出来ますが。道場の方は、もう子供達は帰しましたので。

ーほんと?助かっちゃうわ。ありがとう。
ちょっと待ってね。今、準備してくるから。



2人が町へ着くと、あちこちからウンスに声がかかる。

ー医仙様、この間はありがとうございました。すっかり良くなりましたよ。

ーそう!良かったわ。でもまだ、この薬を飲んでね。わかった?

ーはい…いつもありがとうございます…。金も払えぬのに…。

ーお金なんて良いのよ!チェ・ヨンがいっぱい稼いでるから気にしないで。それより、みんな我慢しないことよ。早めに言ってくれたら、早く治るの。わかった?

周りの町民は、ウンスを拝むようにしている。

ー医仙様…いつもこのような事を?

ーえぇ、ボランティアでね。

ーぼら?

ーあぁ、無料でね。町の人達は病気になったり、怪我をしても病院に行けないの。お金が払えないから。それって不公平でしょ?

トクマンには天界後は難しかったが、何と無く理解できた。

ーさすが、医仙様ですね。


2人はマンボ兄妹の薬屋へやって来た。

ーこんにちは!また、来ちゃいました!今日は、高麗人参と冬虫夏草が欲しいんだけど…

ー医仙、あるよ!

ーふふふ、ありがとう。おいくらか…


ガタガタと何かが倒れる音がする。

おい!こらぁ!ふざけやがって!と声が聞こえる。

そちらを見ると、子供を抱えた女の人が、子を守りながら怯えていた。



ーちょっと、あんたたち!女、子供に手をあげるなんて男の風上にもおけないわね!
やめなさい!

ー医仙様…何かあれば私が怒られますから…ここはおとなしく…

ー出来るわけないでしょ?あったまに来たわ!


ーお前、何者だ?

男達の中で一際目立つ男が、ウンスに声をかける。目は鋭く、今にも襲いかかって来そうな冷ややかな雰囲気を持っている男だ。


ー私は医者よ!もう、やめなさいよ。




ーお前には関係なかろう。こいつの亭主は、金を借り逃げている。俺の雇い主が、こいつの娘を連れて来いと言っているんだ。どけ…。


ーどけません!



それを見ていたマンボ兄妹は、チェ・ヨンにここへ今すぐ来るよう、スリバンの仲間に連絡させる。


ーまぁまぁ、旦那さん。ここは一つ…

バシッ!

マンボさんが殴られてしまった。

ーちょっとあなた!何するのよ!

バシっ!

ウンスも殴られた。

これにはトクマンが怒り、剣を抜く。

ーおぬし、この方を誰と思うておるのだ!
斬り捨てるぞ!

ーやれるものならやってみるが良い…

トクマンが斬りかかると、何も持っておらぬその者の手から何か出た気がする。

ーくっー!?

トクマンの頬が切れて血が出ていた。

こやつ…侮れぬ。

トクマンが斬りかかるたび、その男の手から出る何かに、当たってしまう。

腕は薄く傷だらけになっている。
おかしい…こいつは…

ートクマンくん、血が!大丈夫?

ー医仙様!逃げて下さい!





ー医仙だと?ではこの女がチェ・ヨンの妻か…。ふっ!良い者を土産に出来そうだ。


その男が、ウンスを掴もうとしたその時、トクマンがウンスを抱き抱え、走って逃げる!

ート 、 トクマンくん、大丈夫なの?

ー医仙様、すみません。私ではかないませぬ。奴はおそらく風攻の使い手…。
かまいたちの様な物ですが…。かなり危険です。大護軍に、うっ!

ートクマンくん!大丈夫?

その男が右に左に手を払い、風を操って居るように、確かに思える。

ーあっー!くそ!医仙様、俺に掴まって下さい!でも腕は、俺の身体の中に隠して。
医仙様に怪我などさせたら、大護軍に殺されますから。くっ…

ートクマンくん!

トクマンの背中は、すでに血だらけだった…。

ーお願いよ!もうやめて!トクマンくん、私を下ろして!もう良いから。ね?


トクマンは、ウンスを抱きかかえ、一歩一歩進んでいく。

男が苛立ったように、両手を広げトクマンに向け押し出す…

トクマンが倒れ、おびただしい出血が…


ートクマンくん、どいて!私に診させて!

トクマンは、ウンスに覆いかぶさっていたのだ。ウンスには一筋の血も流させぬように…。

ートクマンくん!だめ!だめよ!動脈が…。マンボさん!そこのカバンをとって!早く!


ーおい。女を連れて行け。

その男がそう言った時、何かに弾かれたっ!


 


                 続く( *・ω・)*_ _))ペコリン 








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