ー信じて頂けるとは思って居ませんが、その通りです。
ー君!何の得があってこんなふざけた真似を!!なんかの宗教か?うちに金はない!帰ってくれ!!不愉快だ!
そう言って父親は手紙の束を投げつけた。
ー…待って下さい。お願いです!!これを読んで下さい。こちらの手紙の束は封がしてあり開けるなと書いてあったので、誰も開けていませんが、こちらはお二人が信じてくださらなかった時のための手紙のようです。
そう言って、ユニは別の手紙を見せた。カメラのフィルムケースに入っていた。それもかなり古い物なのに、墨でハングル文字が書かれていたのだ。
2013年のお父さんお母さんへ…
親不孝なウンスを許して下さい。。。
でも、私はチェ・ヨンと愛し合ってここ高麗で幸せに暮らしています。だから心配しないで…今目の前に居るのは、二人の子孫のはずよ!ふふ。孫の顔は見せてあげられなかったけど、ずっとずっと先の孫とこれからは仲良くしてね!
あと、私のお墓はチェ・ヨンのお墓と同じだと思うわ。ずっとずっと一緒に居させてとお願いしてあるから。お墓参りお願いね。先立つ不幸…ううん幸を許してね。私は本当に今幸せなの。今、2人の目の前に居る人を信じて、私からの手紙を読んで。私の幸福な生涯がわかるから…
愛してるわ、お父さんお母さん…。私を産んでくれて本当にありがとう。
ユ・ウンス
ウンスの母は泣いていた…そのウンスと書かれた文字…あの子の名前の書き方だ!
本当にあの子なのね…。
ユニは続けた。
ーそれとは別の手紙に、ここの住所と2013年の今日、お母様の誕生日にこれを届けてくれと書かれていました。
本当にウンスさんとチェ・ヨンの手紙や絵はたくさんうちに残っているんですよ。チェ・ヨン祠堂が建設されるのを知っていたウンスさんは、資料として持って行かれないように、大事なものや見られたくない物は納屋に地下室を作らせてそこに隠してあるんです。家族のものしか知りません。ウンスさんは、漢字も習われたようで、漢字の手紙もたくさんあります。今度遊びにいらして下さい…。
そう言ってユニは鞄から箱を取り出した。中からはかんざしとお母さんお誕生日おめでとうと書かれた古い紙が入っていた…
ーウンス…本当にウンスなのかい…?
ウンスの母は震える手で手紙の封を開けた…。

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