ーここを出ても良いと言うことでしょうか?陛下にご迷惑かかりませぬか?
ー私の心配は無用だ。一人でここを出られるか?
ー出ることはさほど難儀ではありませぬゆえ…
ーそうか…では、医仙の事を頼んだぞ。
ーはい。御意に…
チェ・ヨンはウンスが心配であったので、その申し出は願ったり叶ったりであった。また、監禁されておるのではないか、無鉄砲なお方ゆえまた無茶をして痣でも作っておるのではないかと…気持ちばかりが焦る。さて、血を流さずしてどうここを出るか…ふと、ネズミに目が止まる。
王の尋問が終わると、チャ・ウンは慌てて王宮を離れ、その事をキ・チョルに報告に行った。
屋敷で、キ・チョルの護衛を兼ねて、笛を吹いている千音子に徳成府院君への謁見を求める。
ー急ぎ徳成府院君にお話しせねばならぬことがある!
ーどんな急用でも邪魔をするなと言われました。
千音子は呆れたように話す。
全く舎兄はあの様な女に何を期待しているのか…ただの騙りであろう…
ーしかし…
チャ・ウンは仕方なく引き下がった…
千音子はもう話はないとばかりに笛を吹く。
屋敷の庭の東屋では、軟禁されてはいるが、綺麗な洋服をもらい、きちんと食事も出され、元気なウンスが、キ・チョル、火手引とお酒を飲もうとしているところだった。
ーこれが一番強いお酒なのね?
ー私が火を出す時に使ったりするからね…
ーそして、こっちが甘いお酒。
ー子供が消化剤に使ったりするわ。
ウンスは3つの茶碗に強い酒をまず注ぎ、そのあと甘い酒を入れ、爆弾酒を作ろうとしていた。
なんとか時間を稼ぎを、ここから逃げ出すチャンスを狙っていた。もうチェ・ヨンは助けには来てくれない…私が早くここを出て彼を助けなくては…キ・チョルは、すぐには殺すつもりはないようだけど、私が手に入らないとわかれば、彼を殺してしまうかも…うまく時間を伸ばさなくちゃ…
ーOK!それでは、面白いスクリューを見せたいんだけど、ガラスのグラスがないしね。
そういって近くの葉をちぎり、茶碗に蓋をしグルグル回し混ぜた。
ー私が作った爆弾酒になります!
キ・チョルと火手引は呆れ気味だ。
何と言っても、キ・チョルはウンスと酒がのみたい訳ではない。ウンスの心を自分の手に入れたいのだ。早く華佗の遺品についても知りたい…
ーじゃ、みんなでぐっと行くわよ!私から!
そう言って一気に飲み干した。
ー次はお姉さん!
火手引も一気に呑んだが、あまりの酒の強さにむせてしまった
ー次は、おじさん…いえ旦那様、どうぞ!
ー酒じゃなく、心を下さると言いませんでしたか?
ーさっきから心とか言ってるけど、ブランド物のバッグじゃあるまいし、心はお金じゃ買えるもんじゃないし、奪えるもんでもないでしょ?違う?
そう言いながらお酒のおかわりをつくり…
ーチア~ズ!!
キ・チョルはウンスの言っている事の意味がわからなかった。天界語なのか、意味のわからない言葉をウンスは良く話す…それがまたキ・チョルをあおる。やはりこの女人は本当に天界から来たのだろうか…早く確かめたい!心を手に入れなければ!脅すか?さて…一筋縄では行かぬこの女子…
ー医員じゃなくて、ただの酒好きなの?
火手引が呆れて言った。
ー私の心が欲しいんでしょ?それなのに、私の作ったお酒も、飲めないんじゃダメじゃない!
キ・チョルはしぶしぶ呑んだ…やはりきつかったのか、卵を食べてごまかしている。
ーじゃ、二杯目までサービスしちゃいまーす!
ー相手が王であろうと、天界の、医員であろうと、からかわれるのは我慢できません!そんなことは今まで一度も許したことがありません!
二杯目を作ろうとしたウンスの手を掴みながらキ・チョルが言った。
からかい過ぎたかしら…
ー以下同文よ!私だって自分の心のことで冗談なんか言えないわ!私の心が欲しいんでしょ?それなりの努力を見せてくれないと…
ーその努力と言うのが酒を飲むことだと?
はっ!?
ー頭が悪いと同じこと何度も言わせるのよね!最後にもう一度だけ教えてあげるわね…私みたいな女の心が欲しいなら、少なくとも週2回は一緒にお酒を飲んでくれないだめよ。一緒に飲む中、育む友情ってね!手首をつかむのはずーっと先なのよ!
ウンスはキ・チョルが怒りを抑えているのがわかっていたが、あくまで強気で話していた。本当は怖い…だから呑んで自分を誤魔化そうとしていたのだ。ここは2012年だと思って!ウンス!
キ・チョルは他人からこのような態度をとられた事がなく…この怖いもの知らずの女人の心が本当に欲しくなって来た…
おはようございます

やっとそろそろ二人の絡みが出てきますね。
早く絡んで~

では
仕事に戻ります( ー`дー´)キリッ
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