ウンスの取引…4 | 信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

シンイの二次小説を書かせて頂いております。
読み終わった後に、心がほんわかあったかくなるような、物語を綴っていきたいです。

キ・チョルの屋敷の一室…
キ・チョルは先ほどの錆び付いた手術道具を、ウンスに見せた。

ウンスは震えそうになるのを必死に抑えて居た。

ーこれが華佗の遺品ですって?…今から数百年前のもの?

そんなわけないわよ!現代の物が何故そんな昔にあるわけ?私の他にもタイムスリップした医者が?
ウンスは鳥肌がたった。

ーあと、他に二つあります。

この女人…顔色が変わった…本当にこれを知っているようだ…天界というのももしや本当なのか?それにしても赤い髪が燃える様だ…

ー見せて!私に見せたくてここまで連れて来たんでしょ?


ー実は医仙をめぐり王様と賭けをしたのです。

ー賭け?

ー私が7日以内に医仙の心を得られるか…賭けたのです。

ーはぁ?ちゃ!それで勝ったら?

呆れるはね、この時代の人間達には…
そこに私の意見は入らないということなのよね?馬鹿にして!私は物じゃないの!

ー私が勝ったら医仙を頂けるということで…。負けたらそのまま王の物となると…

ーはっ!

ふざけんな!


ー医仙のお心は今どこに?

チェ・ヨンのところですか?


ー私の心は私の物よ!

ー私にくださいますか?

ーいやよ!

ーいやと?はっ?
徳成府院君の私に向かって嫌だと…


あんたみたいな蛇男、嫌に決まってるでしょ?その時サイコの顔が浮かんだ…彼なら?

ーこれがなんだか知りたいのよね?
もう二つあるって言ったわね?それも知りたいんでしょ?

ウンスは強気で攻める。キ・チョルが食いついて来たようだ。身を乗り出し…

ー説明できるということですか?

ーこれと同じところから来た物なら、当然わかるわ。私の世界の物だし…教えてあげましょうか?

ー知りたいと言ったら?

ウンス!ここが勝負よ!サイコの命を守らなくっちゃ!

ー迂達赤チェ・ヨン…彼を助けて。

ふっやはりそう来ましたか…
ー取引の品物を間違いましたね。
医仙が私の物になったら華佗の遺品についてなど、当然お話くださるでしょう。取引はこうするんですよ、医仙…
私の物になりますか?そうしたらチェ・ヨンの命だけは助けましょう。


むっかつくわね!チェ・ヨンさんは助けなくちゃいけないけど…でもこいつの物になるなんて絶対に嫌!何か良い方法を考えなくちゃ…



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キ・ウォンはチェ・ヨンの居る地下牢までやってきた。
チェ・ヨンは相変わらず牢の中で大の字になり眠って居るように見える。

ーまだか?

門番は答えた。
ーはい、ずっと…昨日から一瞬も起きないで寝っぱなしです。食べもぜず、小便もせず…

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チェ・ヨンはいつもの凍てついた湖のほとりに居る夢を見ていた…
寒い…凍えそうだ… 凍った湖の上に父上がいらっしゃる。

ーまだ見つからないのか?

ー私は何を探して居るのでしょう?

父上…

チェ・ヨンが分厚い氷の張った湖を歩き出すと分厚かった筈の氷が割れ、湖に落ちてしまった!

チェ・ヨンは冷たい水の中でもがき、必死に水から出ようとあがいている。
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ようやく湖から這い上がり、咳き込む。
ふと自分を見ると水に入った筈なのに濡れていない…なぜだ?辺りを見渡すと花が咲き乱れ、凍って居た筈の湖は美しい色に染まって居る。

いつの間にか隣には父上が…

ー何をしておる?

ーいつ氷が解けたのですか?

ー何を言って居るのだ?

ー湖は一面凍っていました。


ーこの湖は一度も凍った事がなかったぞ。
見ろ、ここはいつもこうだったろう?

やっと生を望んでくれたのだな…もう見つけたのではないのか…お前に生きることを思い出させてくれたお方を…


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ここは暖かく美しい…イムジャと同じ香りがする…

チェ・ヨンは牢の中で目覚めていた…。
なぜ俺はあのまま冷たい湖の底へ沈まなかったのだろう…?沈んでしまう事が本望であった筈なのに…あの時、死んではならぬと体が勝手にあがいていた…いつ何時死んでも良いと思って居たのに…

最後の最後で俺をこの世に引き留めるお方が居る。あれほど必死に俺の命を戻して下さったのだ。そう簡単には死ねぬ…俺にはまだやらねばならぬことが残っている。イムジャをお守りし天界へお返しするしなければ…今はどうしていらっしゃるだろう…また俺に笑いかけてくださるだろうか…

チェ・ヨンの目から涙が伝う…






桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜

チェ・ヨンの心が
“生とは死なぬこと”から
“ウンスを守るため生きなければ”に変わり始めた時…かなと勝手に思ってます得意げ

ようやく心に春の風が吹いて良かったね音譜チェ・ヨンビックリマーク



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