ー慶昌君様は無実ではないですか。
チェ・ヨンあの者だけが死んでくれたら、なかったことにしてあげましょう。
さもなくば、慶昌君様が死ぬのですぞ!
反逆者として処刑されるのです!
ーそなたはヨンを手に入れたいのであろう?それなのになぜ殺すのだ?
子供だと思われても構わぬ…涙が止まらぬのだ…ヨンよ…余はどうすべきじゃ?
ー慶昌君様のせいです。人間の本性を暴き教えて差し上げたのです。どのみちチェ・ヨンは死ぬ定めにあります。慶昌君様を助けてから死ねとお命じ下さい。
慶昌君様は徳成府院君の手に握られた毒を両手で挟み拝むように頼み込んだ。
ーうぅ…ヨンを…ヨンを助ける道はないのか?
余の唯一の家族のようなものなのだ。なんとしても命だけは助けなければ…
ー慶昌君様が身代わりになりますか?死ねば擁立も何も謀反も起こせませぬ故…
チッチッチッ…はぁ~
ははははっ!どちらが相手を思う気持ちが強いのか…とくと、拝見させていただくか…ガキのこのお方には、少々お辛いかもしれぬがな…はははっ!
その頃やっと食事を終えたウンスとチェ・ヨンは急ぎ慶昌君様の元へ向かおうとしていたが…
ーねぇ、ちょっと待ってよ!
止まってくれないチェ・ヨンの前にウンス
が走り寄り止める。
ーこうしましょ?
ー話は戻ってからにしましょう。
早く戻らねば…やはり嫌な予感がする。
ー慶昌君様と私を天門まで連れてって。慶昌君様と私の世界へ戻って手術もして抗ガン剤治療もして…出来るって!
このままじゃサイコが危ない…慶昌君様をここでは治療も出来ない…私の命もない…
二人とも命の危機にさらされる…
この人はこんなところで死んだらいけない人だからなんとかしなくちゃ、ウンス‼︎
ー行ったとしても天文が開いていますか?
この方はまた無理難題を言いなさる…今の状況ではこの島を出ることも叶わぬ。このお二人をそんな危険に晒すわけにはいかぬ、私一人ならどうとでもなるのだが…
ーそれ以外何が出来る?あなたは今、反逆罪で追われているんでしょ?
私も時代劇見たからわかるわよ!私たち、処刑されるんでしょ?私まで殺されるんじゃない?答えてよ?そうなんでしょ?
私などどうでもいい。元々この世界の住人じゃないから、、こんなところで死ぬわけがない…そう思わなきゃ。
でもこの人はダメよ、あのチェ・ヨンなんだから…歴史に名を残さなきゃいけないい存在なんだから…早くこの人から離れなければ…
ーそこまでの行き方はわかるのですか?
お守りすると誓ったのです。このまま危険を承知で行かせられませぬ。
ーそれは人に道を聞いて…
ー探し回っている官軍はどうするのですか?
はぁ…諦めの悪いお方だ…無理だと言うておるのに。私に考えがあります故しばし大人しゅうしておって下さい。
ーそ…それは…
ウンスの横をチェ・ヨンは通り過ぎる。もうこの話は終わりだとばかりに…
どうしたらこの人を助けられるの?
チェ・ヨンの後ろ姿に言った…
ー一緒に行っちゃだめ?あなたが誰も殺さなくて良い世界よ。
チェ・ヨンが立ち止まる。
ーだから一緒に行こう?天界へ…
私と一緒に…
この人が死なずにすむなら…そうよウンス。一旦現代へ一緒に行けば良いの…その先のことは後で考えればなんとかなるわ。
それに、この人は人を守るためたくさんの人を軌っている。
傷つきながら…もう人を斬らせたくはない…血を流しても欲しくない…こんなにこの人は辛そうなのに…
人を斬らずとも良い世界か…
俺とて行ってみたい気がする…そこなら俺もこのお方のように笑えるのだろうか?
ふっ…何を馬鹿な…俺は数え切れぬほどに人を斬り、それにまだ王にお許しをいただいておらぬ故、まだお守りせねばならぬ。
天界へなど行けぬ…俺は血を流し過ぎた…
あの時ふとよぎった夢のような風景がまた一瞬のうちに溢れ出す。
藁葺きの家に、この方と慶昌君様が犬と戯れ大きな声で笑ながら遊んでいらっしゃる。そして私に向かい行ってらっしゃいと笑ながら手を振ってくださっている…
そんな世界を夢見ても?
ーチェ・ヨンはその夢を振り切るように慶昌君様の元へ早足で向かった…
今日は久々のお天気です!
昨日はあまりに疲れ、更新出来ませんでした

富士スピードウェイはめちゃくちゃ楽しかったです!
今日からまたお仕事です

良い1週間になりますように

アンニョン


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