ーイムジャが一緒なのに、私は捕まったり致しませぬ。
ーわかってるわ、でもね、チェ・ヨンは顔が知られ過ぎてるわ。私を連れに来た時の建物の監視カメラに映ってるからね。んーと、あの壁で動く光る絵ね。あの時のあなたや私の姿がこの国の全ての家で、何度も見られたと思う。それにね、私の時代は人は殺してはいけないと話したわよね。死ななかったとはいえ、チェ・ヨンは警備員を斬ったでしょ?殺人未遂と言って私の居た現代では、重い罪なの。誘拐もね。高麗に火縄銃ってあったのかしら?銃ってわかる?天界のおまわりさん…えっと悪い人を捕まえるお役人さんは、その銃を持っているの。撃たれたら死んでしまうわ。私でも助けられない…
……うーん…でも天門をくぐったら私の世界のいつに戻るのかしらね…ていうか2012年に本当に戻れるの?
最後の声は独り言のようでチェ・ヨンには聞こえなかった。
ーそーなのですか?
では、雷攻で死なない程度に…
誰も近づけぬよう、道だけ作ります。
ーもう、だから行かないと決めたの!
ー…まだ隠してる事がありますね?
ったく、この勘の良さ、何とかして欲しいわ…
ー次は二つ目の遺品、華佗の手紙の事を話すわね…
あの手帳には、私の時代の時間と公式が書かれていた…そしてハングルで“ウンス”と…ハングルって前に見せた天界の言葉ね。
ーはい。覚えております。
ウンスは少し鳥肌がたち、チェ・ヨンに擦り寄った…
ーあの手紙はね、全て私が書いたものみたいなの…
ーどういう事ですか?あんな古い本に何故イムジャが…
チェ・ヨンも気付く。
ーしばし忘れておりました。イムジャが華佗かもしれぬのでしたね。一人ここより昔に行かれるかもしれぬと…
ーそうなの。あれは未来の私が、過去に飛ばされ、ここにいる私に残したメッセージ…んー書簡なの。
私は、愛する貴方の死の危機を未来の自分に教えてもらった。だから助けられたの。
チェ・ヨンには複雑でなかなか理解しがたかったが、ウンスがいつ、いかなる時も自分の事だけを心配してくれておるのだと、改めて感じキツく抱きしめた。
ーイムジャは相変わらずなのですね。徳興君にもたらされた、ご自分の毒の事や、飛び虫の毒に刺されぬよう気をつけよと書けば良いものを…
ーあら、もしかしたら書いたのかもよ。あいつが持ってる半分に…
それでね、王妃様を助けに戻ろうと言った日の手紙にね、貴方には言ってなかったけど、こう書かれてたの…
