Listening NOW!《56》 | to the LAST DESTINATION

Listening NOW!《56》









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ダニエル·デファイエ·サクソフォーン四重奏団
  サクソフォーン·アンサンブルの至芸
[SICC 1972~3盤]
2015.11.25.発売
DISC 1:1978.  DISC 2:1975.発売〈オリジナル盤〉
CD







高校生の頃、指導者の方が1本のカセットテープを私に渡してくれた。
初めて聴いたダニエル·デファイエ·サクソフォン四重奏団の演奏。

立体的にも感じる華やかで厚みのある響きと技巧的にもカッコよく響くその音。新鮮で衝撃的でした。
初めて聴く世界。
弦楽四重奏のような柔らかい響きに力強さときらびやかさをプラスしたような。
こんな響きがあるのかと、驚いた。

他にも聴いてみたい。

国内でも他にもこの団体のLPレコードが何枚か発売になっていたようだったけど、私が学生時代になった頃には、すでに廃盤。聴きたくても聴けなかった。
その後も、田舎から東京銀座のヤマハ本店や山野楽器、台頭してきた外資系CDショップを巡ったり、サックスのフェスティバルにも行ってみたけれど、思うような好みの演奏の海外のサックス四重奏のCDに出会うことはなかなかできなかった。
それほどに、当時、まだまだマイナーな演奏形態だった。

今では世界的に活躍する日本のプロ団体もいくつかある。

廃盤になったレコードたち。
いつかCD化されるかもしれない。
いつしかそんな希望そのものも忘れてしまっていた。

けれど、近年、いつのまにかCD化されていた。

細やかだけど軽やか、確固たる技術に裏打ちされた柔かくもダイナミックでマイルドな響き。
本場フランスならではの響き。ニュアンス。
古い録音だけど、その響きは永遠。

よかった!!
また廃盤になる前に気づけて。





高校最後。高3の冬。
どうしても諦めきれなさそうにしている私を見るに見かねて、イッコ下の後輩たちが引退するはずの私に一緒にと声を掛けてくれた。
自分たち自身が音楽的にも技術的にも校内でですら劣っていることはよくわかっていた。落ちこぼれパート。
それでも、4人、意見を出し合い大喧嘩を繰り返しながらも " 目指せ!全国大会 " を合言葉にとにかく反復練習し続けた。技術やセンスがない分、体に覚えさせた。
何度かの地区大会から県大会当日の本番も大喧嘩がおさまらないままに迎えた。
けれど、体に覚えさせた4人の阿吽の呼吸は不滅だった。上位大会へのキップを手にした。まわりよも自分たち自身が一番驚いた。
嬉しかったのは、審査員だった4人共通の中学の恩師が最低点を付けていたにもかかわらず、上位進出を果たせたこと。

残念ながら、さすがに全国大会には遠く及ばなかった。けれど、みな満足だった。自分たちでやるだけのことはやった。その自負がしっかりあった。笑顔で残念だったねと言い合えた。
後悔ばかりの人生だと思ってきたけれど、そんなことはない。
私にとって忘れることのない、宝物。





結局、中学から社会人になってもしばらくやっていました。
音感も音楽的センスもない。
運動神経マイナスだから入部した。
自分を卑下するわけではなく、今は、ずっと慣れ親しんできた響きに身を委ねることのほうが、かけがえなく私には心地いい。





"プログラムナンバー △番。
 ◯◯高校、サクソフォン四重奏。金賞。"

"金賞の中から地区代表になる3校は、
 プログラムナンバー △番。
 ◯◯高校、サクソフォン四重奏。"


うれしかった。
誰も予想していなかった。
地区大会代表として私たちが呼ばれたその瞬間の。
まさかまさかのその時の驚きと喜び、今も変わらずに噛み締めています。
4人の努力の結晶。

ちゃんと、青春、していたんですね。

ありがとう。


ヾ⁠(⁠˙⁠❥⁠˙⁠)⁠ノ









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ダニエル·デファイエ·サクソフォーン四重奏団  他
  サクソフォーンの芸術
[TOCE 7697~99盤]
1992.03.18.発売
1939 / 1930~1936 / 1970 / 1976 録音〈オリジナル盤〉
CD

私が初めて聴いた本格的なサックス四重奏の演奏が
そのまま DISC 3 におさめられている









🎷

トルヴェール·クヮルテット
  マルセル・ミュールに捧ぐ
[TOCE-55284盤]
2001.03.23.発売
CD

私が最も好きな日本のサックス四重奏団
それぞれも含め世界的にも評価が高い









🎷

トルヴェール·クヮルテット
  Tipsy Tune
[IMGN-3005盤]
2017.02.15.発売
CD

出会いは高3の時に行った普門館フェスティバル

初めて生で聴く迫力の演奏とそのカッコよさに感動


テナーサックスの新井靖志さんは、

このアルバムのレコーディング後しばらくして急逝。

素敵な演奏をたくさん、ありがとうございました。