Listening NOW!《36》
中 森 明 菜
不 思 議
三回聴いて、『謎』深まる。
[32XL-155盤]
1986.08.11.発売
復刻盤を聴いた今、
フィルターのような壁ひとつ隔てたような、
お風呂場のような、水の中、海の中にいるような、
そんな音の旧盤。
くっきりせず、モヤッとしてる。
だからこそ『不思議』。
「Labyrinth」の木魚のモコモコ感がやっぱりたまらない!!
明菜さんのメインモニターは、
自身愛用の赤いラジカセだったそう。
(✻『CRIMSON』復刻盤2代目ディレクター藤倉さん解説より)
音のよさもなることながら、何より、
いかにより身近に気軽に生活の中で音楽や歌と触れあうか。
明菜さんにとっての " 歌 " って、そうゆうものなんだろうなと思う。
であったらいいなと。
私にとっても。
映像化されている『EAST LIVE』。
2曲目「DESIRE」冒頭の楽屋シーン。
1本、セレクトしたであろうカセットテープをケースから出しながらメイク鏡に向かう明菜さん。
そして鏡の前に座りカセットテープをラジカセにセットする。
笑みが浮かぶなごやかな表情。
このシーンが印象的。
明菜さんの歌への感覚が滲み出ているように感じられて。
アルバム『不思議』。
復刻盤、新鮮な響きに驚いたけれど、
旧盤も捨てがたい。
明菜さんが赤いラジカセでモニターチェックしている姿が目に浮かぶ。
リスナーにどう聴こえるか。
聴かせるか。
復刻盤、旧盤、それにこれまでのリマスター盤。
今は、レコード盤も新旧ある。
それぞれ別物。
それぞれに楽しめる♪
そんな楽しみ方を提示してくれるアルバムになった。
年齢とともに、歳月を重ねるごとに、
このアルバムが大好きという声は、
徐々に徐々に大きく大きくなっていった。
そんなふうに感じています。
明菜さんは、後年、藤倉さんに会う度に、
"『不思議』は、やってよかったでしょ。" と、
言っていたそう。
(✻『不思議』復刻盤藤倉さん解説より)
ならば、私も。
明菜さん、『不思議』はやってよかったね!
ありがとう。
ヾ(˙❥˙)ノ