本田美奈子 / ゴールデンベスト | NEW BEST NOW

本 田 美 奈 子
ゴールデンベスト / NEW BEST NOW
[CA32-1465盤]
1987.06.05.発売

本当は、アイドル時代成熟期の何かオリジナルアルバムをじっくり聴いて記事にしたかったのだけれど、今手持ちであるのがファーストアルバムの『М’ シンドローム』だけだったので、今回は、この廉価盤的なベストアルバムをじっくり聴いている。
当時、「Sosotte」は、レコードを買った。
前作「1986年のマリリン」のヘソ出しルックで話題をかっさらった彼女。
私は、そもそも彼女の歌がとにかく好きだった。
マリリンも曲調が大好きだったし。
デビュー曲「殺意のバカンス」は、アイドルのデビュー曲としては、毛色が違い異色に感じた。
どこかミステリアスな雰囲気、シリアスな感じで。
当時明菜さんが進んでいる路線を踏襲するように感じて好みだった。
けれど、「Sosotte」あたりは、当時、安っぽい下品さみたいなものをどこか感じていたようにも思う。
時を経て久々に聴いてみる。
彼女が若くして道の途中で亡くなってしまったことを差し引いたとしても、彼女が歌い手として歩んできた道のりを想うと、なんてコケティッシュでキュートなんだろうと愛おしく思う。
彼女にしかこうは、こんなふうには、描けない、表現できない。唯一無二なんじゃないかって。
山本リンダさんあたりなんかも思い起こさせるけど、やっぱり違うように思う。キュートさ、コケティッシュさが。
でも、やっぱり、彼女が亡くなっているから、そう思うのかな。
いや、それに、私が大人になって、もっと多面的に歌を感じられるようになったってことだろうな。感じられるようになった。感じられなかった部分を。
「殺意のバカンス」に続く、「好きと言いなさい」、このアルバムには未収録の「青い週末」あたりは、打って変わって、アイドルらしいかわいらしいナンバー。
まさに、キュッキュッキュート♪
そして、Temptationで路線をやや戻し、マリリンで急ハンドルを切る!
そんな感じだったかな。
アルバム曲やカップリングにも、何気にいい曲、カッコよくて好きな歌がけっこうあったりする。
このアルバムなら、「涙をF.O.して」「暗闇に緋いドレス」「キャンセル」だったり、洋楽指向の「24時間の反抗」。
他にもお気に入りのアルバム曲、カップリング曲いっぱいある♪
またの機会に。
アルバムは、「Oneway Generation」でスタートする。
彼女の歌声が楽しそうに嬉しそうにイキイキと飛び跳ねる。
後悔はないだろう。
安定の歌声。
そんなふうによく言う。
まさに、安定の歌声。
デビューからわずか数年。
明菜さんよりは、やや線の細い歌声。
けれど、柔軟性を持ち始めた伸びやかな歌声。
そして、揺らぎがない。
だから、明菜さん同様、柔らかさを感じるのに、強さも感じる。
意志の強さ。
その後の彼女の道程を自らの歌声が導いていったんだろうなとそう思った。
ソソッて ソソられて
誘って 誘われちゃいました♪
あなたの歌声に。
ありがとう、
本田美奈子さん。
ヾ(˙❥˙)ノ