《Impressions》中島みゆき/歌でしか言えない
[PCCA-00311盤]
1991.10.23発売
《700円・TSUTAYAレンタル落ち》
でも、実は、一曲一曲の印象や思い入れが強いものは別のアルバムにあったりします。
では、なぜ?
ズバリ、このアルバム『歌でしか言えない』というタイトルそのもの。それが好きな理由。そのタイトルが、タイトルだけで、好きなのです。
歌謡曲好きな家庭に生まれ、音楽を "歌" として聴いてきました。
それはあらゆる場面で私を支えてきてくれました。
それが故に、私にとっての音楽は "歌" と言った感覚なのです。
時として涙し、時として癒され、様々なできごとを通り過ぎ、やり過ごしてきた。
"歌" でしか癒せないものがあったと言えば、大袈裟かもしれないけれど、"歌"があったからこそと言うのは多々あります。
少し、理屈っぽいかもしれませんが(^^ゞ
そして、中島みゆきさん。
私はほとんど聴いたことがないけれど、ラジオでは、相当おもしろい人だと聞く。
歌とのギャップがすごいそう。
そんなことを聞いたりもすると、きっと、中島みゆきさんには、歌でしか表現したり、歌でしか伝えることができないことが、あるんだろうなぁと思う。
そして、歌だからこそ、伝えられるものもあるように思う。言葉の表面だけではなく、そこにある様々な想い。受け手に委ねられる部分もあるだろう。そんな部分も含めてこその『歌でしか言えない』。最近、そんなふうに気づかせていただく機会にも恵まれた。
当たり前かもしれないけれど、中島みゆきさんには、きっと、自らが歌うことで一つ一つの歌から何かを感じとってほしいという気持ちがきっとある。だから、歌い続けてる。
そう思うと、『歌でしか言えない』というみゆきさんの思いを自らそのままタイトルにしたんだろうと、感慨深くなるとでも言うのでしょうか、上手く表現できませんが、何だかこのアルバムにとても愛着が湧いてきてしまうのです。
私にとって、そんなアルバムです。
もうずっとまた聞きたいと思っていたんですが、少なくとも15年振り以上くらいに久々に聴いたでしょうか。
全く記憶に残っていない歌なんかもありました。
特にお気に入りだったのは、「南三条」と「Maybe」。
「南三条」は、ロックテイストなナンバーにみゆきさんらしい恨み節みたいな、ドラマ性を感じる詞。情景がスッと浮かびます。
「Maybe」は、強がりを感じつつも、道は厳しいけれど、成せばなる、と言った感じで、励まされた。私もいつか、、、みたいな思いで聴いたかな。
そして、何気にそこはかとなく気になる歌と言った感じで好きだったのが、「サッポロSNOWY」。なんだかせつなかったけど、寄り添ってもくれるようにも感じていた歌だった。
派手さはないし、せつないのだけど、聴いていて心地よかった。
「永久欠番」「炎と水」あたりは、テーマ的にも、曲的にも、壮大な感じの歌だったけど、私にしては、落ち着いて聴けていた歌だったなぁ。私らしく思い入れ過ぎて聴いてしまうこともなかった。
「C.Q.」「おだやかな時代」あたりも私の琴線に触れてくるものをどこか感じながら聴いていた感覚。
「トーキョー迷子」や「渚へ」なんかもみゆきさんらしいし、印象には残っていた。
何より、このアルバム、レンタル落ちと言えども、再発盤ではなく、リリース当初のオリジナル盤で買い戻せたことがうれしい。
みゆきさん手書きの歌詞カード、やっぱり、この文字を見ながら聴けるのが、ひとつ、大きくうれしい。
そんなこんな、思い入れは強いアルバム。
やっと買い戻しできた。
またこれから聴き込んで、このアルバムのよさ、もっともっと感じていきたい。
みゆきさんの "歌でしか言えない" をもっともっと感じていけたらいいなと思います。
出会いに感謝。
ありがとう。