
朝日新聞(山梨版)で連載中の「やまなしこの一冊」の14回目です。
全文はこちらのサイトから読むことができます。
http://www.asahi.com/area/yamanashi/articles/MTW20161202201860001.html
-----
「逃げるのか」
二度と忘れられない言葉というものがあります。
今回はそんなことを思い出した本でした。
「挑戦」と「逃走」。
もちろん命に関わることであれば「逃げる」ことも必要です。
立ち向かう局面に対して、本当の気持ちを知るのは自分自身だけに、
自分がどういう行動をとるのかを決めるのには、
誤魔化さずにしっかりと自分の心を見つめなければいけません。
今回の本の関連本として、「私にとっての母国と日本」という講演記録が
『刻』という講談社文芸文庫に収録されています。
日本と韓国という枠組みを超えて、「理想」と「現実」に対して、
そこから目を背けずに戦う人という面でも読んで欲しい内容です。
李良枝が「現実」と向き合う姿は、向かい風の中でも目を見開き、
崖の上で一人立っている、そんな一人の女性の美しい立ち姿が見えてきます。