春の行楽に持ち歩きたい本 | 春光堂書店 公式ブログ

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[春の行楽に持ち歩きたい本]

FM甲府連動企画(4月29日放送で紹介した本です。)

「草枕」 夏目漱石 新潮文庫

春ですね。GWですね。

みなさんは春になると、どんな本を思い浮かべますか?
また旅行にはどんな本を持っていきたいですか?

私は春の旅路といえばこの本ですね。

「山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」

という冒頭の一節でも有名ですね。

「画家が春の山路をふらふらと歩きながら、そこで出会った旅館の女将さん等の出会いを通して芸術論や文化を考える」という筋という筋もない小説ですが、日常慌ただしく生活を忘れさせてくれる小説でもあります。春の山路の美しさ、またのんびりとした展開の中で、芸術論なんかを考えるという凡そ普段ありえない世界を堪能するのがこの本の楽しさでもあります。

山梨の春を旅する上で、こんな本を鞄に一冊いれておくと一層楽しい旅になるのではないでしょうか。夜、ちょとお酒を飲みながら読んでみてもいい本です。


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