30万部突破しているそうです。私の読んでいるのも22刷りです。知り合いの本屋さんの店主が「あっちこっちで薦めているんだよ」というお話(といってもかなり前ですが)を伺って、当店でも扱っていました。で、先頃になってようやく読みました。
教科書をなぞるような先生ではなくて、ここに出てくる先生達のように、それぞれの科目に対して興味のわくような深い話をしてくれれば、もっと勉強にも積極的になれたかな?とも一方では思いますが、まあ、高校は高校の時で、「心の準備」もできてないだろうし、僕の場合はやっぱり変わらなかったかな。なんて。
結局のところ、本人の「学びたい」スイッチがONにならない限りは、受身的に参加するだけで、いくら教えても駄目なんだと思ってるので、楽しみ方を教えるというスタンスのことはとても大事だと思います。それさえONになれば、(極端な話)先生からの一方的な授業はなくしても、自分で勝手に学んで分からないところは先生に質問にいくようになるし、またその上で個人でやることに限界が見えれば、今度は授業を受けても楽しめるのかなと思ってます。
大人になってからは(世間でよく言われるように)「勉強しなおしたい」気持ちにもなりますが、高校生にどうスイッチを押させるかは難しいですよね。
医者や弁護士など何かにないたいとはっきりした目標や志が既にある人は、偏差値的観点からみてもすばらしいものだと思います。が、ごく一般的には、「何していいか分からないので何となく大学行こうかな。そこで自分探しだ」大体この流れで大学に、そしてあっという間に就職で「やりたいことが近そうなイメージ。給与、待遇、安定性で、俺にはこの程度」ぐらいで就職すると思います。そして社会人になってようやく「私のこころに引っかかる何か」に気づきはじめる。とこのパターンです。もっと早く何かに気づきはじめれば何か変わったのかな、なんて思ったりしますが、「たら」「れば」は存在しないので、もちろん無意味です。その時から始めるだけです。
ただ高校生活の圧倒的膨大な時間を費やす「授業」に対して、まったく無駄にしてしまった自分への後悔から、今でもそんな人が沢山いるんじゃないかなあと思ってます。(既に10年以上も前の話ですが、当時の教室の風景を思い出すと似たような人が沢山いたような気がする)
その時間を無駄にしないためには、「志」(目標)が決まると一番いいとは思いますので、そのスイッチを入れるような授業。そこまではいかなくても主体的に取り組むように仕向けていく授業が、教科書内容の黒板板書で教えるよりずっと効果的だと思います。
内容に触れぬまま、あっという間に長文になってしまいました。(しかも、強引にまとめて、大分それてる)
で、ちょこっとだけ内容。
特に目に止まったのは「国語の金田一先生」の「一枚の絵を言葉で表現する」、しかも「主観的な表現(美しいなど)」や「自分の意見を一切いれない」でするというものです。これは難しいですが訓練になるし楽しいと(さっそく主観)思いました。上級編では、できた言葉をもとに誰かに絵を書いてもらうというものです。この部分だけでも良かったら読んでみてください。