2011年2月22日は、
例えそれが何の役にも立たないように思えても、
過去の記事から。
ニュージーランドで大地震が起こった日でした。
東北の大地震と津波の3週間前に起こった出来事でした。
以前少し書きましたが、(下記参照)
私はちょうどその時に被災地のクライストチャーチの街中にいました。
地震の前日、留学のためクライストチャーチに到着し、
それから2ヶ月半その街に滞在しました。
(38歳にして主人を置いての初留学でした。)
地震の10分前くらいまで
倒壊した英会話学校のビルの8階にいましたが、
ちょうどランチのため外に出て、
お昼ごはんを食べていて無事でした。
周りの建物は倒壊していましたが、
私がいた建物は新しく、あちらでは珍しく頑丈な作りだ…と、
地震が来る数分前にたまたま話を聞きました。
それでも、窓ガラスが割れる激しい揺れ、天井が落ちそうな音に、
死ぬかと思いました。
私がいた街の中心の大聖堂の辺りは、倒壊した建物だらけで、
建物の70%以上取り壊さなければならず、
かなり広い範囲がレッドゾーンと呼ばれる立ち入り禁止区域になり、
今もまだそれは残っているようです。
東北の地震に比べれば、被害規模は少ないですが、
あちらは日本とは違い、耐震構造など考えていない建物だったため、
震度以上に倒壊する建物が多く、
また、地震の避難訓練などの経験がなく、地震の知識がないため、
パニックになる人も多く、
国やレスキューの対応も日本のように手際よくはいかなかったので、
日本の基準で考える以上に様々な被害がありました。
私はたまたま阪神淡路大震災の時も、
友達の家に泊まりに行っていて経験したので、
それと合わせて考えて日本との違いを感じました。
と、そんなニュージーランド生活の始まりだったのですが、
しばらくは水も電気もなく、
日本ならすぐ給水車の準備をしてくれるだろうから、
2、3日後には来るかな?と思えますが、
地震慣れしていないこの国の給水車はいつ来るのかと、
かなりドキドキものでした。
数日後来てくれた給水車に毎日並んだのも
今では貴重な思い出です。
元々ニュージーランドは空気がきれいで澄んでいるため、
星空が素晴らしくきれいで有名なのですが、
地震後は街あかりが一つもなく真っ暗になるため、
ニュージーランド第二の都市の真ん中でも、
降るような星空が見えました。
日が暮れたら電気がないので寝るしかないのですが、
みんななかなか眠れず、
震度5以上の余震が引っ切りなしで家に入れず、
みんなで集まって毎夜庭で星空を眺めていました。
人生であんなに毎夜星空を眺めて過ごしたことはありません。
初めて見た南半球の星空に南十字星が見え、
乳白色に大きく流れる天の河が、
今でも忘れられません。
被災した街では交通機関もストップして、
英会話学校もどこも倒壊、または閉鎖していたので、
他の街へ移動したり国へ帰る学生も多かったですが、
日本人は帰らなかった人が多かったです。
みんな口を揃えて言っていました。
「何もないし、何もできない。それでもここにいたい。ここが好き。」と。
みんなあの街が本当に好きだったのです。
あの状況の中でもニュージーランドらしさを感じ、
不便でも何もなくてもいい、
ここにいるだけで私はうれしくて楽しくて幸せだと思えました。
好きってこういう気持ちのことだなぁとしみじみ想いました。
人を愛するのも同じことですね。
そんな地震から4年が経ち、
22日には現地で追悼式典が行われました。
毎年思いますが、追悼の気持ちの表し方がとてもいいなと。
日本でもありますが、これは街を流れるエイボン川に、
花を手向けています。
ガーデンシティと呼ばれるほど公園が多く、
花がたくさん咲いている街らしく、
色とりどりの花が投げ入れられました。
日本では亡くなったかたへの供養の意味があると思いますが、
ニュージーランドでは、
花を川に投げ入れることで
当時の悲しい気持ちを解き放って、
楽になってほしいという願いが込められているそうです。
亡くなった人を忘れないためだけではなく、
今生きている人が、前に進めるように、
花と共に手放し自然の流れに返していく。
そんな考え方がいいなと思いました。
日本でも東北の地震からもうすぐ4年をむかえます。
忘れない、でも、痛みや悲しみは手放してもいいと思います。
日本は地震が多く、各地で被災経験をしている人は
たくさんいると思います。
例えば東北が一番被害が大きかったから、
北海道や新潟の地震はたいしたことがないということは
もちろんありません。
被害規模や地震の大きさ、辛さ悲惨さ比べではなく、
そこから幸せになっていくことを伝えあい、
お互いに学び支え合い、力にしていけるといいのではと思います。
↑ 2年前、クライストチャーチで
「犠牲者や、地震後に生活ががらりと変わってしまった人達のために
道のコーンに花を飾ろう」と呼びかけたポスターです。
道のコーンに花を飾ろう」と呼びかけたポスターです。
まだ道路の修復などが進まないため、
街中にはいたる所に工事中の赤い三角の目印(コーン)が置かれていましたが、
そこにみんなで花を飾り、
見る人を元気づけようとするなんて素敵なアイデアですよね。
例えそれが何の役にも立たないように思えても、
でもそれが誰かの力になったり、ふと心が和んだり・・・。
人は、何か力になりたいと思う人の心に励まされパワーをもらえますから。

ニュージランドでの被災地生活について書きました。
呼ばれるようにして行ったNZでの忘れられない経験を書きました。
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