5/5〜5/15
脱水症状で入院した87歳の父
その時は病院でのリハビリが進まず
「家の方が歩くのでは」と
ドクターから退院を勧められました
しかし自宅ではまた食べなくなり
上半身を起こすのも辛いようでした
母と私で
「少し食べよう」「あと一口」と励ますも
「頼む、横にならせてくれ」と
手を合わせられると無理強いできなくて

どんどん痩せていき
起き上がる気力もなくなっていき
近所の病院に行くと
普段かかっている主治医に相談をと勧められ
主治医のいる総合病院に電話すれば
今自分が診ることができないので
救急外来をと勧められました
こちらの総合病院は近く移転するため
主治医の先生も普段の倍の患者さんを抱えておられます
何度も救急車を呼んでしまったので
母と私の中に躊躇いがあったのですが
自宅では父の生命を守ることができないと
救急搬送を決断しました
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5月30日
父はふたたび入院生活に入りました
これまでの搬送時は救急隊の方の
「お名前は」「生年月日は」「今日の日付」
の質問に全てしっかり答えていた父ですが
今回は名前を答えたのみで
あとは答える気力もないようでした
かなり脱水が進んでいたようで
入院手続きが終わってからの帰り道
私は涙が止まりませんでした
自宅で介護できると思ったけれど
父を悪化させてしまった
もっと早く救急外来にお願いすれば良かった
お父さんが可哀想
お父さんが可哀想
悲しくて悲しくて
その日の帰り道も翌日も翌々日も
いったん涙が出始めると止まらなくなり
私自身も食欲がない良く眠れない
父が体調を崩した4月後半から
ずっとそんな日々でした
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2回目の入院から4日目
私が病室に行くとちょうど昼食の時間でした
看護師さんにも
「横にならせてくれ」と言っています
でも看護師さんはさすがで
父の口にムース食を入れてくれています
この時はご飯もおかずも食べなかったけど
デザート完食しお茶も結構飲んでいました
お茶にはかなりとろみをつけてくださっていました
少ししか食べなかったけど
まだ喉を通るということに少し安心しました
看護師さんは喉に聴診器をあてながら
飲み込めているかを確認していたようです
食事が終わって一休みすると
父は私相手に話を始めました
「適当に休みながら話すから
話し相手になってくれ」と言います
自宅療養中は
家族と会話をする気力もなかったのに
声が少し出るようになっている
見れば顔色も指先の血色もよくなっていて
面会時間は30分と決まっているけれど
父とお喋りをしていたら1時間経っていました
病院への感謝の気持ちでいっぱいになり
私の気持ちも少し落ち着きました
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その翌日であった昨日
私が面会に行くとすぐに
「トイレをしたいから起こしてくれ」
と言います
急いでナースステーションに行き
「起こしてくれ」と言っているけど
起こして良いのか聞きました
看護師さんはニコニコして
「お昼も車椅子に座って食事したんですよ」
えー
本当ですか


昨日はベッドでの食事でも
「横にならせて」と言っていたのに…
看護師さんは父に
「車椅子でトイレに行きましょう」と
声をかけてくださり介助
行きは渋面だった父も
トイレから帰ってきたら嬉しそう
「ここ数日でいちばん楽な気持ちだ」
と言うではありませんか

そこへちょうど
リハビリ担当の方が病室へ
とても親身で優しそうで熱心で
「少しずつ動けるようになっています」と
心強い言葉をかけてくださいました
父の年齢を考えれば
これで万々歳と楽観できる状況ではない
それは重々承知しています
ただ昨日の父が幸せそうに見えたことで
私も昨夜はぐっすり眠れた気がします
そうそう昨日は
担当のドクターからもお電話があって
父の現状を丁寧にご説明いただきました
今後のことなどたくさんの課題はありますが
本当に多くの方に支えていただいているので
前向きに取り組んでいこうと思います
昨日の神明宮は雨降りでした