ワクワクしながら読み進めた本

エーミールと探偵たち / 岩波少年文庫

エーリヒ・ケストナー著 / 池田香代子訳


100年ほど前のドイツのお話 ドイツ


重いテーマと描写の小説を読んだ後

児童文学でひと息つこうと選んだ一冊です

その時の記事↓


↑この記事の中で

「外国の古い時代の様子がわかる文学

私好きなんですよねーほっこり」と書きました


その理由は自分でも
「何となく」だと思っていたのですが
訳者のあとがきを読んでわかりました

ちょっと長くなりますが
訳者池田香代子さんの「あとがき」より抜粋↓

エーミールはドイツの男の子
舞台はベルリン
時代は、第二次世界大戦よりも昔
新しさがまだ新しかった時代です

現代は、先月買った携帯電話より
今月買ったもののほうが
新しい機能を備えているのが当たり前

こんど建つビルがお隣のビルより高くても
誰も驚かない、新しさがあたりまえなのです

エーミールの時代には新しいということが
今では想像もつかないほどの驚きでした

新しさは、今よりもっとぴかぴかに輝いて
人々の興奮を誘いました

新しいものがたくさん集まっていた
ベルリンの風景が物語には描かれています

高層ビル、ネオンサイン、車の洪水、新聞社
ケストナーのおかげでわたしたちは
新しさへの感動を味わうことができます

物語は
新しいものにわくわくした時代人々の心を
わたしたちにも気前よくわけてくれます

物語によって、わたしたちの心は、
新しさに対してもう一度うぶになるのです

物語を読むというのは
本当にふしぎで豊かな体験だと思います

このあとがきを読んで
なるほど!昔の物語がワクワクするのは
そういうことだったのかー と納得しました

私がアガサ・クリスティー好きなのも
家具や建物・駅などの描写が古くても新鮮で
心が躍るからなのだなーと思いました

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「あとがき」の感想が長くなりましたが
エーミールの本編は言うまでもなく楽しく
冒険と家族愛や友情が詰まったお話でしたキラキラ

何歳になっても
児童文学は読み続けたいです