昨夜は、満月でした。
自宅の窓からは神々しい月の光が眩しくて
しばらく眺めました。
 
父が外出をしなくなってから
外の様子を私が話したり、写真に写して見せてあげたり
そんなことを、ここ数年続けていました。
嬉しそうに見たり聞いたりしてくれて幸せな時間でした。
 
半年ほど前、満月がきれいだった夜
写真や話だけでなくて
どうしてもそれを見てほしくて
腰が重い父を少し無理やり誘導してお店の前まで連れ出し
二人で夜空を眺めました。
「きれいだなぁ」と月を見ている父が倒れないように支えながら
とっても嬉しかった私。
翌日父は、母に
「ゆうべ、恵美が見せてくれた月が本当にきれいだった」と
何度も話したそうです。
だから、満月の夜には
これから必ず、その時の父を思い出すことになるでしょう。
想い出は、多いほうがいいと思います。
面倒がらず、時間を作るほうが
きっと後悔しないと思います。
 
昨日、父の引き出しを見たら
私から父に宛てた手紙がごっそりと出てきました。
東京のサロンに勤めていた頃のものです。
自分ではすっかり忘れていましたが
父と母が友人夫妻と旅行に行くことを知った私が
「お小遣いの足しに」とお金を送っていたことがあったようです。
手紙と一緒に5千円札が出てきました。
使っていなかったのですね。
号泣しました。
当時の私は極貧でしたが。
どんな気持ちだったかも、忘れてしまっていますが
親ほどありがたいものはありません。
 
まだまだしばらく
涙を流すことはあるかもしれませんが
でも、すぐ近くに父を感じることができて
幸せです。