講習で各地を訪れ知ったことのひとつに
今も、替刃でなく日本剃刀や西洋レーザーを使用して
女性のお顔そりをされている理容師さんも多いということ。
狭い視野で、物事を見たり判断してはならないと感じています。
自分自身も、父が剃刀の研磨をしてくれていた頃は
西洋レーザーを使って、女性のお顔そりをしていました。
ハサミもカミソリも研げる父でしたが
それでも、刃の付き方には多少のムラがあり
なんとなく切れが悪く感じることもあり
他力本願でありながら不満を持ったりしていました。
刃物を扱う仕事についていたら
研磨のことや、「刃」というものについて
無知ではいけないと、父に言われたこともありました。
ですが・・・
嫌いで苦手でした。
苦手なものからは、誰でも逃げるものです。
ですから、今でも研磨をしてカミソリを使ってシェービングをされている理容師さんは、素晴らしいと思います。
講習会で、日本剃刀や西洋レーザーの使用感についても
ご質問を受けることがあります。
私が感じていることを率直にお伝えしています。
最近では、自分の顔はフローレーザーでしか
シェービングをしていませんでしたが
先日、久しぶりに西洋レーザーで剃ってみました。
そして、少しの間使っていた研磨の道具を取り出して
刃のメンテナンスをしてみました。
なかなか楽しく感じました。
刃というものは、とても繊細なものです。
力は必要ありません。
一番手前のカミソリが新しいカミソリですが
材質は古いもののほうが良いと、私は感じています。
刃に指の腹を垂直に当ててみると
西洋レーザーの刃は、指に吸い付くような感覚になります。
替刃の刃は、吸い付かずに切れます。
よく切れるのです。
一長一短です。
フローシェービングの刃の当たりは
西洋レーザーでのシェービングの当たりに
勝るとも劣らない。と思っています。
あくまでも、私が自分の顔に当てた感触からの意見となりますので
誤解があってはいけませんが
それほど、優しいと思っています。
刃が、皮膚にダイレクトに当たる、当たらない
そして、皮膚面の形状が
いかに剃りあがりに影響を与えるか、ということを感じています。
シェービングの奥の深さには刃物も大きく関係しています。
きっと、今の時代では古臭く思われるお話しですが
刃物を語れるのは、そして語れなければならないのは
メーカーの方でもなければ
販売する方でもなく
理容師なのだと思っています。