講習で、県外各地を訪れ
多くの同業の方にお会いする機会に恵まれます。
先入観で、関東と関西は感覚的に異なるものがあるように
思いがちでしたが、それは単なる思い込みであったと思います。
「理容」という、狭い世界ではありますが
本当に様々な価値観に触れ
そこからまた、自分の学びへと繋がっていることに感謝しています。
私が、「もっとお話しをしたい」と思える方の共通点は
「地に足がついている、自分の仕事に誇りをもっている」その点です。
以前も書きましたが
世の中では、美容師はかっこよくて
理容師はダサくて
エステティシャンは、国際的な資格が持てて素晴らしくて
理容師の行うエステティックは、床屋の仕事の延長、みたいな
印象があるように思えますが
何より、そう思っているのは理容師自身のように思えてならないのです。
ネット社会になり、それまで知ることができなかった情報も
瞬時に、得ることができるようになり
知らなくていいことまで、知ってしまう。
そこで、焦る。
迷う。
自分が見えなくなる。
華やかなところに目を向け、落ち込む。
そんな理容師が増えたように思えます。
「井の中の蛙大海を知らず」ということわざは有名ですが
井の中の蛙でも、私は自分はそれもまたいいと思えます。
大海を知らなくとも、地域の方々の想いや
「理容」という世界、「理容師」という仕事を知り尽くし
自分の仕事に打ち込むことで
今よりもっと、理容師になったことを誇りに思えると思います。
日本は島国で、今では海外から多くの外国人が訪れますが
でもそれは、日本が安全で、衛生的で、親切で、マナーが良くて
食事が美味しくて、豊かだから
他にもいろいろ。
そう思います。
母国語を話せるだけで
真面目に働けば食べていける、そんな良い国
世界にも、あまりないことでしょう。
Barberブーム到来というけれど
理容師が本当の理容であったり
大事なところをわかっていなかったら
きっと、ブームはブームで過ぎていくことでしょう。
今さら、美容っぽくしたり、アメリカナイズする必要なんて
きっとないはず。
別に、美容を批判しているわけではありませんからね。
だって、日本の理容師は素敵だから。
「井の中の蛙大海を知らず」そのあとに付け加えられた
「されど空の深さ知る」
私は、その精神が好きです。