10月19日に住民投票がありました。
公式の確定結果は10月29日公表予定ですが、10月21日午前5時時点で、投票所・投票区の報告率は約92.7%(開票率とは少し違うようですが)ということで、いくつかの接戦した質問以外はほぼ結果が出ているといえるのではないでしょうか。アルバータ州首相のダニエル・スミス(Danielle Smith)も現時点での結果を踏まえて、昨夜スピーチも流しました。
先日の記事では、投票用紙に書かれた10の質問を備忘録としてまとめましたので、今回は、10月21日午前3時11分更新の非公式速報に基づく開票速報を見てみたいと思います。
独立に向けた手続きには、約4分の1が賛成
最も注目されていたのは、やはり質問10。
アルバータ州がカナダの一州として残るのか、それとも独立の是非を問う正式な住民投票に向けて法的手続きを開始するのか、という質問です。
10月21日午前3時11分の速報では、
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カナダの一州として残る:75.3%
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独立を問う住民投票に向けた手続きを開始する:24.7%
という結果でした。
およそ4人に3人が、独立を問う住民投票に向けた手続きの開始に反対したことになります。
残りの9問の結果
残りの質問では賛否の差がそれほど大きくないものもありました。
質問1〜9のうち、質問8以外は「Yes」がリード。
質問8だけは「No」が上回っています。
移民政策については、州がより強い権限を持つことや、州の公共サービスを利用できる人の条件を見直すことに、過半数の支持が集まっています。
一方、憲法改正に関する質問では、賛否がかなり接近しているものもあります。
- 移民政策をアルバータ州がより強く管理することに賛成か?
- 53.4%が賛成
- 46.6%が反対
- 州が資金を出す公共サービスの利用資格を制限することに賛成か?
- 52.1%が賛成
- 47.9%が反対
- 一時的な在留資格を持つ人に、社会的支援を受けるための12か月の居住要件を設けることに賛成か?
- 55.3%が賛成
- 44.7%が反対
- 一時的な在留資格を持つ人に、医療や教育の利用料を求めることに賛成か?
- 55.5%が賛成
- 44.5%が反対
- 州の選挙で投票する際、カナダ市民であることの証明を義務づけることに賛成か?
- 62.5%が賛成
- 37.5%が反対
- 州の裁判所の判事を、連邦政府ではなく州政府が選ぶ仕組みに変えることに賛成か?
- 50.3%が賛成
- 49.7%が反対
- 選挙で選ばれていない連邦上院(Senate)を廃止することに賛成か?
- 52.8%が賛成
- 47.2%が反対
- 州の権限に関わる連邦政府のプログラムから、州が資金を失わずに離脱できるようにすることに賛成か?
- 48.6%が賛成
- 51.4%が反対
- 州法と連邦法が衝突した場合、州法を優先できるようにすることに賛成か?
- 51.0%が賛成
- 49.0%が反対
このように、州の自治を強めるという方向性に一定の支持が見られる一方で、具体的な制度変更については、必ずしも圧倒的な賛同があるわけではないようです。
独立への反対と現状への満足度
今回の結果を見て考えさせられるのは、カナダからの独立に反対することと、現在の州と連邦政府の関係に満足していることは、必ずしも同じではないという点です。
質問10では、カナダに残るという選択肢が大きく支持されました。
しかし、残りの質問では、移民政策や公共サービス、州と連邦の権限のあり方を変えることに賛成する人が過半数を占める項目もあります。
つまり、今回の速報から読み取れるのは、カナダから独立する方向には進まないという選択が大きく支持される一方で、州の権限や制度の見直しを求める声もあるということではないでしょうか。
もちろん、10の質問はそれぞれ内容が異なります。
全ての質問にYesかNoで答える形式でしたが、投票した人それぞれに、さまざまな考えや判断があったのでしょう。
特に賛否が接近した質問を見ると、単純にYesかNoかだけでは捉えきれない事情や考え方があったのかもしれません。
結果を一つの政治的なメッセージとして解釈するのは、慎重であるべきだと思います。
また、今回の住民投票の結果自体には法的拘束力がありません。実際に法律や憲法を変更するには、別途、必要な手続きが求められます。
現時点での集計状況
速報サイトによると、10月21日午前3時11分の時点で、全5,583か所のうち5,173か所から結果が報告されています。報告率にすると約92.7%です。
ただし、これは投票所・投票区の報告率であって、票数ベースの開票率ではありません。
各投票所で投じられた票数は同じではないため、「投票の92.7%が集計済み」という意味ではない点に注意が必要です。
質問10では約199万票が集計されていますが、最終的な投票率や確定した得票数は、まだ確認できません。
正式な結果は、Elections Albertaから10月29日に発表される予定です。
これからどうなるのか
今回のレファレンダムは、アルバータ州がカナダから独立するかどうかを最終決定する投票ではありませんでした。
独立に向けた手続きを開始する案は、速報で約4分の1の支持にとどまりました。
一方で、移民政策や州の権限に関する問題は、これからも州政治の重要なテーマであり続ける可能性があります。
今後、州政府が今回の結果をどのように受け止め、どの質問について具体的な政策や交渉を進めるのか。
引き続き、見ていきたいと思います。
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参考資料
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サイトによっては地域ごとの回答の傾向をマッピングしたものを出していて、それを見ると地域性が分かって面白いですが、賛否両論や新たなる確執を生むかもしれないので、ここではリンクを出すだけにします。