カナダの医療については、すでに多くの人が語っていますが、日本と比べると良い面もあれば難しい面もあります。
良い点としてよく挙げられるのは、通常の医療費が無料であること。
一方で、歯科や眼科は公的医療の対象外で、費用がかなり高額になるという現実もあります。
そして、特に問題としてよく聞くのが、
- 予約がなかなか取れない
- 専門医にはファミリードクターの紹介がなければ会えない
という点です。
最近、知人に起きた二つの出来事が、まさにこの状況を象徴しているように感じたので、記録として紹介したいと思います。
1人目:心臓手術を受けたA氏の場合
A氏は数年前、遺伝性疾患が原因で心臓手術を受けました。
手術は成功し、現在は薬を飲み続けながらも普通の生活を送っています。
ところが今年、運転免許更新の際に問題が起きました。
更新の条件として、
「運転中に心臓発作などが起きる可能性が1%以下である」
という証明を、心臓専門医から提出するよう求められたのです。
しかし、ここには二つの問題があります。
① 専門医でも「1%以下」とは保証できない
専門医は、
「現状では問題なく運転できる」
とは言えるそうです。
けれど、
「発作の可能性が1%以下である」
という数値的保証はできない。
そもそも、1%と2%の違いを誰が確実に断言できるのでしょうか。
② 専門医に会う予約が取れない
ホルターモニターなど各種検査は受けられても、実際に専門医の診察予約は2年先になることもあるそうです。
検査結果を見た医師が「緊急性なし」と判断しているのかもしれません。
でも、それが「問題なし」を意味するのかは患者側には分かりません。
A氏の免許更新はどうなるのか――。
そんな出来事でした。
2人目:膝を痛めたB氏の場合
B氏は数年前、バイク事故で靭帯と半月板を損傷し、
手術を受けました。
最近になって再び膝の痛みと腫れが出てきたため、
ファミリードクターを受診。
専門医紹介の前にMRIで状態を確認しようということで、
検査申請が出されました。
ここでカナダらしい仕組みがあります。
MRIは患者自身が予約を取るのではありません。
医師が申請し、検査施設側が日時を決め、
後から電話や手紙で
「この日に来てください」
と通知されます。
患者の都合は基本的に考慮されません。
そして届いた予約通知。
日時は11月27日。
「今が5月末だから半年待ちか……まあそんなものかな」
と思ってよく見ると――
2027年11月27日
しかも時間は、
23時(夜11時)![]()
かなり驚きました。
日本では通常、
- 自分で病院を選び
- 自分で予約し
- 数年待ちや夜11時の検査予約などはほとんどない
のではないでしょうか。
もちろん医療費負担の問題はあります。
それでも、
- 行きたい病院に行ける
- 待ち時間が比較的少ない
ということは、とても重要だと感じます。
実際、癌の疑いがありながら半年以上待つと言われ、日本に帰国して検査と手術を受けたという話も聞きました。
また、股関節手術を2年待ちと言われた人が、痛みに耐えきれず自己負担でアメリカで手術を受けた例もあります。
費用は数百万円かかったそうですが、待機期間は1か月ほどだったとか。
クラウドファンディングで資金を集めたものの、多くは自己負担だったそうです。
「カナダでは病気になれない」
そんな言葉を耳にすることがあります。
極端な表現かもしれませんが、この1か月の間に身近で起きた出来事を見て、医療制度についていろいろ考えさせられました。
ちょっと怖いですね。