カルガリー、今週はとても寒くなりました。
-33℃(体感気温-40℃近く)の今朝が寒さのピークだったようで、
明日から気温が上がってくるようです。
事件が起きたのは昨日の仕事が終わって
午後6時ごろだったでしょうか。
DGと一緒に近所のスーパーに
夕食の買い出しに行きました。
駐車場に車を止めて、
店に向かって歩き出したところ
駐車場の一角で3人くらいの人が
立ち話をしているのを見ました。
DGはその様子を見て
「ちょっと行ってみよう。
助けが必要かもしれない」
と小走りで彼らのもとに向かいました。
疑問に思いつつも後に続くと…
3人に見えたのは間違い。
地面にもう一人、
30代半ばの男性が倒れていました。
背の低い私は車の陰になっていた彼に
気付かなかったのですが
身長が高いDGには
倒れていた人が見えていたのでした。
近づいて様子を聞くと、
買い物を終えて車に戻る途中で
凍っていた地面に足を取られて転倒。
打ち所が悪かったようで、
どうやら足首を骨折したようだとのこと。
周囲にいた人が気付き、
一人はまさに911(救急)に電話中。
しかし救急車が来るのが
いつになる分からないとのことでした。
通常なら待てたかもしれない。
でもその時の気温は-25℃。
風も少しあったので体感気温はさらに低い。
すでに転倒から5-10分が経過し
男性は寒さで震えていました。
「この寒さで男性は震えています。
凍傷になるかのせいもあるので
急を要するのですが何とかなりませんか」
電話をかけていた女性も必死。
ほかの2人(ちなみに全員無関係)は
それぞれ車に戻って
車に積んでいる小さな毛布
(冬に事故にあったときのために多くの人は
車に防寒具を積んでいます)を持ち寄り
彼の体にかけ始めました。
一人の男性が毛糸の帽子(touque)を
もってきて彼の頭にかぶせました。
これで頭と耳を寒さから守ります。
DGも車に積んであった毛布をもってきました。
男性が痛がるので、体を動かすことができず
毛布を体と地面の間に入れることができません。
そのために寒さが体に伝わるのも
早いようでした。
「スタバで熱いお茶を飼ってこようか?
それで少し温まるかも」といったのですが、
「転倒した人に何かを口にさせるのは
止めた方が良い」とのこと。
ほかに温める方法がありません。
少しでも動くことができれば、
男性が3人いたので
手助けをして店内に戻ることもできるのですが、
少し動かしただけで
悲鳴を上げるほどの激痛が走るようで
それもできません。
私は近くの薬局とコンビニに走って
使い捨てカイロを探しましたが
ここのところ暖かくなっていたので
「ちょうど店頭からなくしたばかりなのよ」
とのこと。
タイミングが悪い。
そうこうするうちに、
ほかにも数人が立ち止まり、
それぞれが車から毛布を持ってきてくれて
彼の体をくるみました。
毛布とはいってもひざ掛けレベルのものなので
なかなか暖かくはなりませんが、
この時点(おそらく転倒から20分くらい)で
焼く10枚くらいの毛布やジャケットが彼の体にかけられました。
一人が徒歩5分くらいのところにある
消防署に走っていき事情を説明。
救急車はどこか別のところからくるようでしたが
事情を聴き、そして当日の気温のこともあり
すぐに消防車1台を向けてくれました。
消防隊員が4人。
担架を出して、
簡易の添え木を足首に当てて固定。
救急車が来るまでスーパー店内に移動をする…。
まさにそのとき!
やっと救急車が到着。
救急隊員2人が加わったので、
その時点で周囲にいた人たちは
それぞえに毛布を引き取って
その場を後にしたのでした。
本当に良かった。
こういうとき、
カルガリーの人たちはほんとうに頼りになる。
ファースト・エイドの知識がある人が多いし
車に積まれた毛布をさっと持ち寄ってくれる。
救急車を呼ぶ人、店をあたる人、徒歩5分の消防署に駆け込む人。待つ間に男性が意識を失わないように話しかけ続ける人。連絡したい人がいるかどうかを聞き家族に電話をするのを手伝う。
寒くてDGの口ひげが凍っていたし、
私の髪も少し凍っていたし
寒さで頬が痛くなっていましたが
こころはとても暖かかったです。
しかし…こういう時に外で怪我をするって
軽傷でも(気温のせいで)
命にかかわるというのも
カルガリーならでは。
男性が早く良くなりますように。