引き続き思い出話です。このシリーズはタイトルに◆がついています。

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エージェントでのバタバタがありましたが、なんとか入学できたボウ・バレー・カレッジの準備コースについて。

 

の、前にまずは、ユニバーシティ(University)とカレッジ(College)の違いから。

 

なぜ私がボウ・バレー大学と書かずにボウ・バレー・カレッジという表記にこだわっているか。

 

アメリカでは気づかなかったのですが、カナダでは明らかに大学(University)とカレッジには違いがあるからです。

 

日本語訳だとUniversity(ユニバーシティ)は総合大学、College(カレッジ)は単科大学と表記されることが多いですよね。アメリカ英語だとそうなのかもしれないのですが、カナダではカレッジは専修・専門・各種学校にあたるように思うのです。アメリカのドラマなんかに出てくる「コミュニティ・カレッジ」と同じカテゴリーなのではないかと…(いい加減な印象ですが)。

 

高校卒業資格のある者(あるいは相応の単位取得者)がユニバーシティに入る前にカレッジ入学をすることも多いようです。

 

カレッジで得られるのはサーフィティケート(1年コースなどの終了証)かディプロマ(同じ終了生ですが2年コースのものの場合が多いようです)のみ。学位(ディグリー)は大学での取得となります。

 

(今はカレッジによっては特定のディグリー取得ができるところもあるようです)

 

ストレートでの大学進学が難しい場合やいきなりの大学進学が不安な場合(高校のように丁寧に教えてもらえる場所から、自分で学ぶ場への環境の変化に戸惑う学生が多いようです)カレッジに進学。

 

その後に編入資格を得てから(ある程度の単位・修了資格取得後に)ユニバーシティへの編入をして学位取得を目指すこともあるようです。

 

当時は日本の家族や友人から「大学に入ったの?」などと聞かれるたびに居心地が悪い思いをしていました。

 

Bow Valley College(ボウ・バレー・カレッジ:以下BVC)はダウンタウンの6th avenue(6番アベニュー:6番通り)にあるので7番アベニューにあるCトレ(カルガリートランジットのLRT。街中を走る路面電車です)の駅からの便が良いです。

 

近くに公立図書館もあり(Cトレ駅前)、駅から図書館、学校まですべてPlus15(プラス・フィフティーン:+15とも書かれる)という渡り廊下でつながっており、天候が悪くても外を歩くことなくたどり着けるのが嬉しいです。

 

前にも紹介しましたが(カルガリーのプラス15)、このプラス15はダウンタウン内の色々なビルをつないでおり、外に出ることなくビルを行き来できるというもの。

 

地上15フィートの高さにあるので+15という名がついたのだとか。

 

実はプラス15という名前があったのを知ったのは、正直なところずっとあとの話(2007年10月ごろ)。

 

カルガリーに来て半年間、名前があることを知らずに「渡り廊下」と呼んでいた私。「確かに渡り廊下だね。うん、いい日本語訳だよ」と知人から笑われました。良い思い出です。

 

私が6月に入ったのはAICプログラムというインターナショナル学生のための準備コースです。8月までの3か月間のコースで、入学試験(英語)がありました。

 

本科(カレッジの通常のプログラム)に入るためにはアイエルツ(IELTS)での一定のレベルが必要で、私の今の英語のレベルでは無理。

 

このコースは半分がカナダのビジネスについてざっと学び、半分はアイエルツの対策の勉強という構成になっています。

 

単なるESLの勉強に物足りなさを感じていた私にはピッタリのコースでした。

 

8月からはビジネス関連のコースでオフィス・アドミニストレーションというオフィス事務業務を学ぶプログラム(8ヶ月コース)をとる予定なのですが(実際に申し込みもしたのですが)、入学は条件付き。

 

つまり8月までにアイエルツの点が取れなければ入学は取り消されるという微妙な状態です。

 

この3か月間は楽しかったのですが死ぬほど勉強しました(と、この時は思っていたのですが、大学に入ってからは更に厳しかったので、死ぬほど英語を勉強した、と言った方がいいかも)。

 

どんなに勉強しても単語の暗記力は確実に落ちているのを感じました。

その点は若い学生たちには簡単そうでうらやましたったです。

 

私に有利なのは作文系。文章を組み立てながら文章にしていくのは慣れもあって楽でした。深く考えなくても起承転結が作れていました。

 

当時は…ですが。

 

今はパソコンを使って書くことが多いので文章を作る順番はバラバラ。

 

思いついたポイントを書き出して言って、あとから構成を考える感じになっているので、いまアイエルツを受けたら作文で苦労しそうです。

 

聞き取りは(アメリカ英語になれていたので)苦労しましたが、毎日BBCのニュースをポッドキャストで聞いて耳を慣らしました。

 

CBC(カナダのニュース)も聞きましたし、オーストラリアのニュースも試したのですが…オーストラリア英語だけは最後まで馴染めませんでした。

 

何を言っているのかさっぱりわからず。

 

模擬試験でも一度、オーストラリアの大学教授による講義、というのがリスニングであったのですが、さっぱりわかりませんでした。

 

こういう試験も運があるなぁ、と思った次第。

 

一番苦労したのはスピーキングでした。あまり社交家ではないのでしゃべるよりも聞く方が多かったこともあって、しゃべりは咄嗟に出てこない。

 

アイエルツではいかに自然な会話をするかということで、ちょっとしたイディオムや言い回し、考えているときに場をつなぐために言うような「そうですねー」のバリエーションの「off the top of my head(いま思いつくところはですね…)」などのような慣用句が咄嗟に出てこないのですね。

 

そういう慣用句が自然に使えるというのは高得点につながるようですが…。

 

近頃はそういう言葉を使う時に、頭の片隅で「アイエルツの試験の時にはこの言い回しができなかったんだよなぁ。あのときに使えていれば…」などと試験の事を懐かしく思い出します。

 

英語の勉強で疲れたところでビジネス英語のレッスン。同じ英語でも実際に興味がある分野を勉強するための「道具」と思うと、英語を使ってビジネスを学ぶのは良かったです。

 

実際に、ここで習ったビジネス文書の書き方などは、大学に入ったときや仕事を始めたときに役立ちました。

 

アイエルツの試験は7月中にあったと思うのですが(もう忘れた)、結果は本科のコースが始まっても届きませんでした。

 

カレッジからは試験結果が出るまでは本科のプログラムに参加していても良い、と言われたので出席はしていましたが、このまま残れるかどうかがわからないままで出席した最初の2週間は気持ちが沈みがちでした。

 

どうしても悪い方に考えが行ってしまって…。

 

最終的に本科の入学レベルが取れていたので、プログラムに残ることができたので本当にうれしかったです。

 

この準備コースは試験的に作られたようで私がとった後には無くなったのではないかと記憶しています。

 

これがなかったらカレッジにも入ることができていなかった(少なくともこのスピードで進学は難しかったと思います)とおもうと、自分がタイミングと幸運に恵まれていたのだな、と思うのです。

 

次回は英語の勉強の結果というか…私の英語力の推移を告白させていただきます。