前回まではこちらで。カルガリーで医者にかかる ①
さて、激しい痛みをアスピリンでごまかしたまま翌朝を迎えましたが、痛みは相変わらず激しい。
胃痙攣なのかな。単にガスがたまっているだけかな。胃炎が悪化したのかな…。
悪い想像はするものの、カルガリーの医療状況を考えると、家で安静にするのが一番、と思い、会社を休みました。
DGに「痛みの一番ひどいのは右下腹部なんだけど、盲腸なのかな」とそのとき初めて思いついた「盲腸」という言葉を口にしました。
DGは「まさか。不安になって色んな悪いそうぞうをしてるだけじゃないの?」と軽く流されてしまったので「そうかも。愚痴を言わずにおとなしく寝ておこう」とひと眠りすることに。
DGは翌日から友人と狩猟に行く予定になっていたので、準備に忙しそうでした。
会社を休んでも仕事のことが頭を離れないのがワーカホリックの悲しい性。メールチェックをし、ベッドの上でラップトップを開いて重要(と思われる)メールに返信をしていました。
オンラインになった私に、同僚が「大丈夫?」のメッセージ。激しい痛みのあることと、カバーをしてもらって申し訳ない旨を伝えました。
すると彼女は「激しい痛みが続いてるって…クリニックに行った方が良いんじゃないの?」と言ってくれたのです。
いまでも思うのですが、このとき、冷静な第3者の「クリニックに行きなさい」の言葉がなかったら、私はきっとクリニックに行くことなんて思いもしなかっただろうと思うのです。
ここで、話はそれますが、カナダの医療事情について。
日本と違うのは救急(ER)でもない限り、病院には行かないということです。まずはファミリードクターに見てもらい、そこで紹介状を出してもらって初めて、専門医にかかることができる、という仕組みです。
血液検査やレントゲンはべつの場所に行って(それも予約が必要)、数日してから結果がファミリードクターにとどいたころに、フォローアップで再びファミリードクターに会います。
ファミリードクターに会うのも予約が必要。たまに1週間先の予約、とかになってしまうこともあります。以前のファミリードクターは患者をたくさん抱えていたので、たいていは1週間から10日先の予約しか取れませんでした。風邪などの軽微な症状の場合は予約の日が来るまでに治っていますので…あまり頼りにならないシステムです。
どうしてもすぐにドクターに会いたいときにはウォークインのクリニックに行くことができます。それはその日の込み具合によって、1-2時間くらいでドクターに会うことができます。しかし、そうすると、後日、担当のファミリードクターにフォローアップで会わなければならないので…けっこうめんどくさいです。
ファミリードクターには定期健診で会うのみ。病気になったらウォークインに行く。血液検査やエコー診断、レントゲンが必要な場合は、別の場所の検査機関(血液検査とレントゲン・エコーは別施設の場合が多い)で予約を取ることになるので、下手をすると(1)ドクターに会い(2)各種検査(3)ドクターに会って結果を聞くまでに2~3週間かかることも。
車に乗らないので、バスで行ける場所で検査を、と思うと、さらに予約がとりにくかったりするんですよね。
そんなわけで、医療機関は私には敷居がとてつもなく高い存在なのであります。
長くなったので、つづきはまた。