さて、ジャスパー慣行の続き。

ジャスパーに入って天気が良くなったので、寄り道も楽しくなってきました。
サンワプタ滝(Sunwapta Falls)はアクアマリンのような淡い青色と層状の岩に当たる水しぶきの白、背景の常緑樹と点在する黄葉がきれいでした。


開けた場所にある滝なので、円形のゆったりした雰囲気と滝の躍動感が良い対比となっていたと思います。

山の背景の青い空、白い雲もさわやかですが、個人的には常緑樹と紅葉のバランスが不満。もう少し黄色が加わるといいのだけど。

麓だったらポプラ系、山の上ならカラマツが黄葉する木らしい。山の麓が常緑で上が黄色、山の麓が黄色で上が常緑…果たしてどちらが良い絵になるか(西日本から来た私の心情としては麓が緑で標高が上がるにしたがって黄葉が増える方が自然な感じがしますが)…しかし絵心のない私には荷が勝ちすぎるトピックでありました。そのあたりは芸術家に任せます。
さて、このサンワプタ滝。滝の先がどうなっているかというと…こんな感じ。




先は警告になっており、しかも結構深い。川の流れを追って、横にある坂(階段)を下ると、






目の前に乳青色の湖が現れます。




階段両脇の層状の高い崖は圧迫感があり、冒険的雰囲気が盛り上がります。

我々一行も互いに降りる様子を写真に撮影しあい楽しみました。

そして湖が現れた時には、滝の躍動感とは対照的な静けさに、言葉少なく景色に見入ることになるのです。

とはいえ、冷えるので見入ったのは2-3分ほど。すぐに写真撮影会となり、そうそうに引き上げたのでした。


本日の宿に向かう途中でエルク(大型シカの一種)に遭遇。ドライブイン敷地内の草が気に入ったようで、5-6頭が群れを成して草を食んでいました。オスはいないようでした。この時期のオスは角も立派になり、メスを取り合って争うので、お近づきにはなりたくない存在であるとのこと。しかし写真からもわかるように、角のないエルクはただの大きな鹿。横に通常の鹿(ホワイトテールやミュール)を並べない限りは大きさの比較もできないので、感動もう薄いかも。


そういえば色が少し違うかな。そういえば尻尾をあげたときにお尻が白くないから、いつも見かける鹿ではないよね、という感じ。

しかし、このエルク。バンフでは近年(2007年当時)は害獣になりつつあるそうです。

数が急激に増えて現在は200頭以上。3年前には100頭未満だったというから倍以上です。

日本の鹿による被害と同じく、エルクによる食害が問題になってきているそうな。観光客にしてみれば数が増えれば遭遇の機会も増えるのだが、喜んでばかりはいられないようです。

特に被害が著しいのがアスペン(ヤナギ科ハコヤナギ属の総称。ポプラやヤマナラシ、ハコヤナギなど。今回の黄葉の主役である)らしい。

しかもエルクは優しげな風貌に似合わず気が荒いらしく、無防備にカメラを抱えて近寄る観光客が被害にあうこともあるとか。

バンフといえばグリズリー・ベアに襲われる危険がよく言われますが、実際の被害はエルクによるもののほうが多いとの事。

国立公園が推奨しているのは30m以内に近づかないことらしいです(知らなかった)。

積極的な駆除には踏み込んでいないようですが、鹿用の避妊剤を実験的に使用し始めているとのこと。アメリカではまだ認可されていない薬を、カナディアンロッキーで実験使用することに疑問の声も上がっているそうですが、効果のほどは…今後どうなるか気になるところです。

この日最後のイベントはピラミッド湖という、その名の由来を聞きたくなるような湖の裏山散策と言った雰囲気のハイキング。

ピラミッド湖と隣のパトリシア湖、そしてジャスパー市内を一望しようという計画でした。インフォメーションセンターの女性によると往復で40分程度とのことでしたが、実際は片道が40分かかったの事、途中で雨が降ってきたこともあり、結局は途中で引き返しました。二つの湖が見れる場所で写真が撮れたので、まあよかったかな。



Aさん夫妻も楽しんでくださったようなので良かった。