カナダデーが終わると、カルガリーではスタンピード気分が盛り上がってくる。スタンピードはカナダデーの後の最初の金曜日から始まって10日間の「世界最大のアウトドアショー」と謳われる、ロデオ、カウボーイの競技、チャックワゴンなどに彩られるお祭りである。
2016年の今年は原油価格の低迷から(カルガリーの最大の産業は石油や天然ガスなどの天然資源系)カルガリーは大規模なリストラが様々な企業や団体で行われており、企業主体で行われていたスタンピード・パーティやチケットの購入なども落ち込んでいることだと容易に想像できる。
うちの会社も、いつもの「スタンピードの水曜日の午後のスタンピードパーティ」は中止。「会社は午後は休みにするから、パーティをしたい人は各自でどうぞ」との御達しが…。
そんな暗いムードですが、思い返せば最初のスタンピード、2007年の私は、スタンピードが何たるかも知らなかったので、興味津々。当時通っていたESLの友人たちとパレードに行ったり、スタンピードパークに何度も行ったりと、いま読み返しても「初々しいなぁ」感があってほほえましかった。
そんな昔のジャーナルから。
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「カルガリーには季節は2つしかない。冬とスタンピードだ」とカルガリーに来てすぐに耳にした。
そう言われるほど,カルガリーの夏はスタンピード一色になる。ちなみに日本で夏と言えば8月のイメージだが,カルガリーでは夏は7月。8月は暑いけれども夏の終わりの予感が色濃くなる。
さて,まずはスタンピードの紹介から。スタンピードは一言で表すなら「カウボーイの祭典」。主催者たちは「The Greatest Outdoor Show on Earth (世界最大のアウトドアショー)」と謳っているが,それくらいに意気込みと思い入れはすごい。
期間は毎年7月の第2週の10日間にわたる(金曜日に始まり翌週日曜日に終わる。今年は7月6日~15日)ものである。
「カルガリー最大の」と言ったが,同時にカナダ最大の祭りの一つでもあり,また,世界最大のロデオ・ショーが開催されることでも有名である。
1912年に始まったというから,その歴史は100年近いもの。「1912年のスピリット(精神)を思い出せ!」というようなスローガン(だったのか?)をイブニングショーで見かけたのだが,これは今年だけなのか,毎年のテーマなのかは不明。
1912年当初はロデオの世界規模の大会ということだったが,これに1886年から続いていた展示会が合わさり,現在のスタンピードの形になったそうである。
一番の目玉は「ロデオ・ショー」と「チャック・ワゴン(幌馬車)レース」。そして歌とダンスに大道芸やサーカスのような出し物が加わり,最後に花火が打ち上げられるという「グランドスタンドショー(イブニングショー)」。
他にも「ミッドウェイ(Midway)」と呼ばれる遊園地のようなエリア,ステージ・ショー(カントリーソング,その他バンド,手品,ショーバンド,MBXフリースタイル(自転車の曲芸乗り,というと語弊があるか?),ドッグ・レース,牧畜関連競技(羊の毛刈り,牛の追い込み・誘導の技の競技,シープドック競技,鍛治師競技,乗馬競技)等と見所たくさん。カナダ原住民(インディアン)村と銘打たれたエリアではインディアンの暮らし,工芸品の展示,ダンスなどを見ることが出来る。
それ以外にも市内のあちらこちらで開催される「無料朝食会(パンケーキ朝食会)」「無料BBQ(昼食会)」も要チェック。
この期間はほとんどの会社はジーンズOK、となるため,ジーンズにカウボーイシャツ姿やカウボーイハットでの勤務もOK。町に俄カウボーイ・カウガールが多数みられる。
警察官のカウボーイハット姿はスタンピード期間ならではとのことらしい。騎馬警官がカウボーイハットをかぶっているのはカッコよく、観光客の餌食となる(写真撮影ショーがあちらこちらで始まる)。
さて,祭りは金曜日の朝のパレードで始まる。
学校もこの日は午前中が休みの上,YWCAと共催の無料朝食会があったのでクラスメイトと待ち合わせをし,まずは朝食会へ。
カントリー音楽のバンド演奏を聴きながらゆったりと朝食をとったあとは,いざパレード会場へ。
学校のすぐ前がスタート地点だったので,そのあたりで待機。
今年はピンクリボン(乳がんの撲滅、検診の早期受診を啓蒙・推進するために行われる世界規模のキャンペーン、もしくはそのシンボル)をサポートする意図もあり「ピンクを身につける」というのが合言葉になっているため,配られる紙製カウボーイハットもピンク。
ジーンズ・メーカーのラングラー(WRANGLER)社は「Are you Tough enough to wear pink?(君はピンクを身につけられるほどタフか?)」をテーマに男性用のピンクのシャツなどを販売していた。
聞くところによると、カナダでは男性がピンクを身に着けるとゲイだと思われるので、着るのには勇気が必要,だけど本当にタフならばピンクを着たって誰にも何も言わせない,ということだそうな。
木曜日(前夜祭)4:00PMのテープカットから金曜日に掛けての30時間は「30 hours of Though」と銘打ってピンクリボンをサポートするための期間。
木曜日の入場料は全てピンクリボンに寄付され,期間内にはピンク色のものを身に着けて(特にピンクリボンをサポートする商品を身につけるほうがいい。購入金額は寄付にまわされるから)ピンクリボンを応援しよう!と,町中がスタンピードと乳癌撲滅キャンペーンに沸いた。
日本だったらココまで盛り上がっただろうか?というくらいに,町中にピンクが溢れていた。
ロデオやカントリーシンガーなどのスターたちがピンクを着て応援したのも影響しただろうか。パレードの最初にピンクのカウボーイハットをかぶったピックアップトラックまでもが登場。なかなか似合っていると思うのだが如何かな?
馬や農場関連,そして伝統的なものや異文化が大好きな私はパレードの間中(2時間半くらい)デジタルカメラを構えっぱなし。
馬が来るとシャッターを切り(後に馬糞が転々と…),羊を見かけるともう一枚(追い立てるシープドッグが凛々しい),馬車が来れば更に一枚,王室カナダ騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police;略称RCMP;通称マウンティーMountie)がくれば大喜びの大騒ぎ。
スコティッシュの一団,ファースト・ネイション(インディアン),カナダ軍の大行進(戦車が回旋するとアスファルトにはキャタピラーの跡がくっきり!)。興味は尽きない。
これから10日間、どんなイベントなのかを見て体験するのが楽しみで仕方がない。
2016年の今年は原油価格の低迷から(カルガリーの最大の産業は石油や天然ガスなどの天然資源系)カルガリーは大規模なリストラが様々な企業や団体で行われており、企業主体で行われていたスタンピード・パーティやチケットの購入なども落ち込んでいることだと容易に想像できる。
うちの会社も、いつもの「スタンピードの水曜日の午後のスタンピードパーティ」は中止。「会社は午後は休みにするから、パーティをしたい人は各自でどうぞ」との御達しが…。
そんな暗いムードですが、思い返せば最初のスタンピード、2007年の私は、スタンピードが何たるかも知らなかったので、興味津々。当時通っていたESLの友人たちとパレードに行ったり、スタンピードパークに何度も行ったりと、いま読み返しても「初々しいなぁ」感があってほほえましかった。
そんな昔のジャーナルから。
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「カルガリーには季節は2つしかない。冬とスタンピードだ」とカルガリーに来てすぐに耳にした。
そう言われるほど,カルガリーの夏はスタンピード一色になる。ちなみに日本で夏と言えば8月のイメージだが,カルガリーでは夏は7月。8月は暑いけれども夏の終わりの予感が色濃くなる。
さて,まずはスタンピードの紹介から。スタンピードは一言で表すなら「カウボーイの祭典」。主催者たちは「The Greatest Outdoor Show on Earth (世界最大のアウトドアショー)」と謳っているが,それくらいに意気込みと思い入れはすごい。
期間は毎年7月の第2週の10日間にわたる(金曜日に始まり翌週日曜日に終わる。今年は7月6日~15日)ものである。
「カルガリー最大の」と言ったが,同時にカナダ最大の祭りの一つでもあり,また,世界最大のロデオ・ショーが開催されることでも有名である。
1912年に始まったというから,その歴史は100年近いもの。「1912年のスピリット(精神)を思い出せ!」というようなスローガン(だったのか?)をイブニングショーで見かけたのだが,これは今年だけなのか,毎年のテーマなのかは不明。
1912年当初はロデオの世界規模の大会ということだったが,これに1886年から続いていた展示会が合わさり,現在のスタンピードの形になったそうである。
一番の目玉は「ロデオ・ショー」と「チャック・ワゴン(幌馬車)レース」。そして歌とダンスに大道芸やサーカスのような出し物が加わり,最後に花火が打ち上げられるという「グランドスタンドショー(イブニングショー)」。
他にも「ミッドウェイ(Midway)」と呼ばれる遊園地のようなエリア,ステージ・ショー(カントリーソング,その他バンド,手品,ショーバンド,MBXフリースタイル(自転車の曲芸乗り,というと語弊があるか?),ドッグ・レース,牧畜関連競技(羊の毛刈り,牛の追い込み・誘導の技の競技,シープドック競技,鍛治師競技,乗馬競技)等と見所たくさん。カナダ原住民(インディアン)村と銘打たれたエリアではインディアンの暮らし,工芸品の展示,ダンスなどを見ることが出来る。
それ以外にも市内のあちらこちらで開催される「無料朝食会(パンケーキ朝食会)」「無料BBQ(昼食会)」も要チェック。
この期間はほとんどの会社はジーンズOK、となるため,ジーンズにカウボーイシャツ姿やカウボーイハットでの勤務もOK。町に俄カウボーイ・カウガールが多数みられる。
警察官のカウボーイハット姿はスタンピード期間ならではとのことらしい。騎馬警官がカウボーイハットをかぶっているのはカッコよく、観光客の餌食となる(写真撮影ショーがあちらこちらで始まる)。

さて,祭りは金曜日の朝のパレードで始まる。
学校もこの日は午前中が休みの上,YWCAと共催の無料朝食会があったのでクラスメイトと待ち合わせをし,まずは朝食会へ。
カントリー音楽のバンド演奏を聴きながらゆったりと朝食をとったあとは,いざパレード会場へ。
学校のすぐ前がスタート地点だったので,そのあたりで待機。
今年はピンクリボン(乳がんの撲滅、検診の早期受診を啓蒙・推進するために行われる世界規模のキャンペーン、もしくはそのシンボル)をサポートする意図もあり「ピンクを身につける」というのが合言葉になっているため,配られる紙製カウボーイハットもピンク。
ジーンズ・メーカーのラングラー(WRANGLER)社は「Are you Tough enough to wear pink?(君はピンクを身につけられるほどタフか?)」をテーマに男性用のピンクのシャツなどを販売していた。
聞くところによると、カナダでは男性がピンクを身に着けるとゲイだと思われるので、着るのには勇気が必要,だけど本当にタフならばピンクを着たって誰にも何も言わせない,ということだそうな。
木曜日(前夜祭)4:00PMのテープカットから金曜日に掛けての30時間は「30 hours of Though」と銘打ってピンクリボンをサポートするための期間。
木曜日の入場料は全てピンクリボンに寄付され,期間内にはピンク色のものを身に着けて(特にピンクリボンをサポートする商品を身につけるほうがいい。購入金額は寄付にまわされるから)ピンクリボンを応援しよう!と,町中がスタンピードと乳癌撲滅キャンペーンに沸いた。
日本だったらココまで盛り上がっただろうか?というくらいに,町中にピンクが溢れていた。
ロデオやカントリーシンガーなどのスターたちがピンクを着て応援したのも影響しただろうか。パレードの最初にピンクのカウボーイハットをかぶったピックアップトラックまでもが登場。なかなか似合っていると思うのだが如何かな?

馬や農場関連,そして伝統的なものや異文化が大好きな私はパレードの間中(2時間半くらい)デジタルカメラを構えっぱなし。
馬が来るとシャッターを切り(後に馬糞が転々と…),羊を見かけるともう一枚(追い立てるシープドッグが凛々しい),馬車が来れば更に一枚,王室カナダ騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police;略称RCMP;通称マウンティーMountie)がくれば大喜びの大騒ぎ。

スコティッシュの一団,ファースト・ネイション(インディアン),カナダ軍の大行進(戦車が回旋するとアスファルトにはキャタピラーの跡がくっきり!)。興味は尽きない。
これから10日間、どんなイベントなのかを見て体験するのが楽しみで仕方がない。