新興住宅地と農村が境を接する、千葉県柏市の公園で
この春におこなわれたイベントの野外ステージでの写真。
柏は、とっとが幼い日を過ごした場所。
御当地の伝統芸が披露されたあとの出番となる。
たちまち子どもたちがステージ前に群がった。
「家族みんなで聴けるうた」が本領を発揮するのは、ここからだった。
後ろで井戸端会議をしていた母親たちが、言葉を発しなくなった。
曲が流れるにつれ、真剣な眼差しをステージに向けている。
孫の手を引いた厳格そうな老紳士も、目を細めて心地よさ気に聴いていた。
とっとの歌は誰にも楽しめる。そして、誰も傷つけない。
休日の野外イベントには、夜の街とは異なる出会いがある。
むしろ、この方がとっとに似つかわしいとさえ思える。
活動の場は路上だけではない。
幼稚園、保育園、病院や各種施設への慰問に積極的だという。
われわれファンは慰問ライブに押しかけることが出来ないのが残念だ。
路上での活動は、平均すると週に3、4日。
あれだけの大荷物を抱えながら、夜の街に繰り出していく。
排ガスに喉を痛めながら、ろくに食事もとらず何時間も歌い続け、
マメが出来た小さな手でCDを買ってくれた人と握手する。
すべては、一人でも多くの人に歌を届けたいという一念から。
この夜、とっとの「こころがきれいになるうた」を聴いているうちに
広場の地べたに正座してしまった人がいた。
そのとき私は、また一人、歌の心が届いたことを知った。
