伝統との融和 | ものづくり系会社員の戯言?

ものづくり系会社員の戯言?

「心」の世界から「ものづくり」の世界に転身して奮闘する『変わり者』の徒然日記

 伝統技術と新素材の融和で生み出されるものが多々ありますが、

 

 最近、私が雑誌で読んで関心を持ったのが、

 コレ↓


チタン瓦

 チタン製の瓦です。



 皆さんもご存知のとおり、

 チタンは、軽くて強い特性を持ち、

 戦車の装甲や、潜水艦などにも使われている物です。


 それが、歴史的建造物にも使われるとは…

 しかも、建物内部の補強材ではなく、屋根瓦としてなんて…

 


 下の画像の「浅草寺 宝蔵門」が代表例です。


浅草寺 宝蔵門



 地震大国・日本では、

 近年は減る傾向にあるとはいえ、

 「土瓦」を屋根に用いてる建物が多く存在します。


 阪神大震災以後、

 瓦メーカーは、耐震性を向上させる為に、様々な製品を開発してきましたが、

 「土瓦」の弱点である、その重量を軽減するのには、今も大変な苦労をされていると思います。


 とは言え、

 歴史的建造物を地震から守るのに、

 「土瓦」を使わないなんて、考えられないですから…


 しかし、

 この『チタン瓦』によるふき替えを見ると、

 施工前後の外観の違いが殆ど分かりませんが、

 かかっている重量は、「土瓦」の約8分の1に。


 

 まぁ、最大の問題は、費用なんですけどね。

 『チタン瓦』は、従来の陶器製の物の3倍の価格なんだそうで…


 「浅草寺 宝蔵門」のふき替えでは、

 施工面積1080㎡に、約7トンのチタンが使われ、


 その費用は、約7200万円という事でした。