悲しみが乾くまで(2007) | ささやかだけれど、役に立つこと

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悲しみが乾くまで(2007)を観た。

 

ハル・ベリーとベニチオ・デル・トロ主演。殺人事件で夫であるブライアン(デヴィッド・ドゥカヴニー)を亡くしたオードリー(ハル・ベリー)とその子供達が、夫の親友であるジェリー(ベニチオ・デル・トロ)との交流を通して立ち直っていく姿が描かれている。一方ジェリーは元弁護士だが今はドラッグ中毒患者。オードリーの家族に支えられながら終盤では更生施設に入所する決心をする。

 

名作なので良いところを挙げ始めるとキリがない。ただ、終盤での賑やかなディナーのシーンが良かった。ジェリーがドラッグ克服サークルで知り合った女性ケリー(アリソン・ローマン)が唐突に故人の思い出について質問を始める。誰もが戸惑ってブライアンについて語ることを躊躇する。しかし、オードリーが少しずつ答え始めると堰を切ったように皆がブライアンとの思い出について語り始める。

 

そうすると、そのように語ることがとても自然であり、自分たちがそれを望んでいたことが判明する。ケリーは、ブライアンの家族や友人達にとって故人の思い出ついて語り合うことが必要であると理解した上で質問しているのだ。残酷だけれど、そうやって思い出にしてしまう他ないのだから。