大好きな人とのデート


いつもより早起きして
いつもよりお洒落して


何度も何度も鏡と向き合う


髪型変じゃないかな
この服似合ってるかな


俺の頑張りなんて
貴方はきっと気づかない


だけど
手抜きはしたくない
短時間でも1日でもデートに変わりはないんだから


今日、何回目か分からないチェックをしたら
いよいよ出発


待ち合わせより1時間も早いけど

このまま家に居たって
そわそわ歩き回るか
鏡の前に立つしかないんだもん


だから
いつもより念入りに忘れものはないか確認して
戸締まりもして一歩を踏み出す


胸はこれからのことでいっぱいだ


『行って来ます』


そう言って俺は
誰も居ない家を後にした







待ち合わせの場所
1時間も早く来れば貴方が居ないのは当然で

(むしろ時間通りに来る方が珍しい)


冷たい風が吹き荒ぶ中
俺は小さくなって待っていた







「よう」


かけられた声に顔を上げれば
大好きな流鬼の顔


時計はやっぱり
待ち合わせ時間を少し過ぎていた


「待った?」


『ううん、』


「嘘つけ
こんな冷やして何言ってんだバーカ」


『むぅ…』


冬は嫌い
見栄を張っても
簡単にバレてしまうから


「もっとゆっくり来ていいんだぜ?」


『どういう…』


「いっつもさ戒君、1時間前には待ち合わせ場所に来てんだろ」


『何で知って…』


「俺、戒君家に迎えに行くたびに
もう出たって言われんの」


『どうして迎えに?』


「そういうのもいいかなって」


『何それww』


「だってせっかく戒君が俺のためにお洒落してんのに
俺が一番に見れねぇってなぁ」


『気づいてたの?』


「気づかないわけないだろ」


だってお前のことだぜ?


俺の努力は無駄じゃなかった
全部ぜんぶ気づいてくれてた!!


『っじゃあ
お洒落、もっと頑張るから迎えに来て!!』


「おー」


大好きな貴方との待ち合わせ
次からは俺の家になりそうですvV
恋で憧れるシチュエーションは何ですか?


「学校の帰りに手繋ぐのに憧れたり…
おじいちゃんやおばあちゃんになっても手繋いで歩きたいな」


微笑ましいですね
じゃあヒロト君は?


「俺は自転車を2人乗りとかしたいんだなっ」


ヒロト君のも若さが溢れてていいですよね


虎君はどう?


「んー…
コスプレとかも楽しそうですよね、Naoさん?」


『どうして俺なの?!』


「ナースでもメイドでも…
体操服とかもいいよね」


『なっ…』


シチュエーションていうか
プレイですよね、それ…
沙我君は?


「俺は…
Naoさんを手錠や枷で繋いだり
たくさんの玩具で楽しませたり
あとは●△◇※…」


『沙我君さいってい!!』


……最後にNao君


『俺は、将君やヒロト君みたいな温かい感じがいいな


虎君や沙我君…
特に沙我君みたいな変態プレイを恋人に押しつけようとする人は地獄に墜ちちゃえばいいよね☆


むしろ
沙我君はすぐにでも地獄に堕ちるべきだよね』


「Naoさん冷たい~」


『知らないっ』







ついつい
不思議にまで手を出しちゃったww
憧れの恋を教えてください


「体育館裏、体育倉庫、理科室、保健室、教室…あ、プールとか屋上もいいよねっ」


それは…シチュエーションですか?


『黄泉の学生生活を疑う…』


「ヤりてぇだけじゃん」


「うるさいなっ
じゃあ新弥は何なのさ」


「んー…部k「それ、さっきれいた君が言ってたからね」


「いちいち…
じゃあ同じバイト先で働いてる」


「きっと新弥のことだから
ろくに声もかけれないで背中ばっかり見てるんでしょww」


「ヘタレ」


「なっ、じゃじゃあ咲人は何だよ!」


「んー…
俺が先生でひつが生徒
白衣に眼鏡の俺とセーラー服のひつかな」


「まじな顔が怖ぇ…」


「絶対ドSに調教とかするタイプだよね…」


「何か問題でも?」


「「い、いえ…」」


ちなみに瑠樺くんは?


「みーたんが俺専属のメイド」


「「「それもいいっっ」」」




『ばっかじゃないの!!』


最後に柩くんの理想を教えてください


『ヘタレじゃなくて
あいつらみたいに変態じゃないやつ!!』
どんな恋に憧れますか?


「はいっ」


はい玲太君


「俺がサッカー部の部長で戒君がマネージャー

部活内恋愛は禁止だけど
俺と戒君は皆に秘密で…」


「ありがちやな」


じゃあ、葵君


「俺は本好きな戒君に気づいて貰うために
戒君が読みそうな本を先に読んで
図書カードに名前を…」


「ジブリじゃねぇか
カントリーなロードじゃね?」


では流鬼君


「えー…
幼なじみで家が隣で窓から互いの部屋に行き来して…」


「ベタすぎるやろ!!」


「流鬼寒い
寒すぎるべ!!」


「うっせえ!!」


「では私が沈黙を破ろう」


「自分で言っちゃたし!!」


麗君どうぞ


「俺は悪の魔王から戒姫を助けるために勇者としてゴキブリ、馬、雛をお供に…」


「ありえねえだろ!!」


「お供がおかしいやろっ」


「友情出演させてやってるのではないか」


「いらねえ!!」


「迷惑や」


「家鴨に何が出来るんだべ」


「まったく…
うるさい下僕たちだ」


「「「はぁ?!」」」









ちなみに戒君の理想は??


「縁側でゆっくりお茶を飲みたいなvV」


それって恋というより
老後ですね







NEXT 悪夢←
朝、事務所に来てから1本の取材を終えた


撮影は昼からで
衣装やメイクは順番なんだけど


ここに来てから早4時間ほど

俺は気になって
気になって仕方ない


それは
黄泉の、いわゆる社会の窓が
ずっと全開なのだ


俺が気づいたのは
部屋に入って黄泉の隣に座った時


黄泉は一番に衣装もメイクも終わってたから


こいつは衣装に着替えた時から
ずっとこの状態だったのだ


インタビューは机を挟んでたからまだしも

次は撮影
このまま気づかずに居れば


キメ顔とは反対に
情けない姿を晒すことになる


言うべきか…


『ねぇ黄泉、』


「ん?」


『ずっと気になってたんだけど…

社会の窓全開だよ?』


「あんら、まあやんだあ
あんだ早ぐ言っでよぉ」


『どうして千葉…』


「でも、ずっと気になってたなんて

ひつのえっちぃ
俺のナニを狙ってるのさ~」


『はあ?!
人がせっかく親切で教えてやったのにっ

黄泉のバカ!!』


「やぁん、おこっちゃいやんvV」


『うっさいっ』









ただバカなだけの黄泉←