非常識なアンブッシャの話 その3 | PlatinumClubⅡ

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森圭吾の音楽人生「Platinum Club」の復活版

フルーティストという人種はフルートを始めたその日から、いかにアンブッシャの

穴を小さくコンパクトにするかを考え始めます。

 

従って熟練者になればなるほど、この技術に長けてきます。

長年フルートを吹いていると、唇周辺の筋肉も発達し、あまり力を入れなくても

脱力した状態で小さな穴を保てるようになります。

 

脱力状態で小さな穴が楽に開けられるという事は、滑らかに透明感のある澄んだ音色が

出せるようになった、とも言えるのです。

これほどに熟達してくれば、唇の自由度が上がり、ある程度息の状態に唇の穴が

追従して来るようになります。

 

これであなたも一端のフルーティスト。

 

しかし、なぜ誰もが美しい音を目指したにも関わらず、ピアノとフォルテの

ダイナミックレンジが確保されていないのでしょうか?

楽器の特性?

強く吹くと音程が高くなるし、弱く吹くと下がる。

それを、楽器の角度や顎や・・etc で修正して・・

 

これまでの道のり、本当に大変でしたね。

そういう僕も、この問題を一生抱え込んで生きています。

 

なぜこんな事態に陥ってしまったのでしょう?

 

それは、我々がフルーティストとしての教育を受けてきたからです。

 

フルーティストには呪縛があります。

そう、フルートを持ったその日からずっと今日、今この瞬間も持ち続けている固定観念!

 

唇の穴を何があろうとコンパクトに保とうとする、その習性と意識こそが、フルートの可能性を

大幅に奪ってしまう最大の要因なのです・・・つづく