春へと向かう誕生日 | *masae(光と絆の祝福メッセージアート)のブログ Art with blessing of light and love

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世界でただ一枚、
本来の偉大なあなたの波動を引き出す
光次元からのメッセージアート


セッションでは、本来のあなた、真の望みを明らかにし、
お悩みの解決や願いの実現化を促す情報やメッセージを
美しい絵に描きわかりやすい言葉でお伝えしています。

冬のさなかでも、少し気温が上がった日には、

緩んだ空気のなか、春の雪どけの卒業式の頃を

身体で思い出します。

いままでなじんできたものや当たり前だったものと別れ、

自分もまわりも大きく変わっていくということがわかっていて、

でもまだ新しい世界が飛び込んでくる前の、

空(くう)を歩いているような時間。

むずむずするような、やるせないような、

それでいて希望がある、

胸のあたりが静かにざわつく感じです。



「誕生日だから、ガトー・ショコラを焼いてあげるわ。

うちにおいで」

という、友人のありがた~いお言葉に、先日の誕生日、

ワインを2本持って出かけました。



2本のうち1本は、乾杯にふさわしい辛口のスパークリングワイン。

そしてもう1本は、もうずいぶん前に、ある人から、

「いいことがあったときに開けてくださいね」といただいたまま、

ずっと開けられないでいた、薄い金色のハーフボトルのワインでした。



いただいたときには、よし、いいことがあったときにと思ったのですが、

これだと思ういいことになかなかめぐりあわなかった時期もあり、

いいことがあったのにワインの存在をすっかり忘れてしまっていたりと、

ずっといままでそのままになっていました。

ところが、なぜか、友人がケーキを焼いてくれるという話になったとき、

突然思い出したのです。




「えっ、そんな貴重なもの、開けちゃっていいの!?」と

おおいに遠慮されましたが、

なにか、どーんといいことがあったときにととらわれていたけれど、

誕生日は、無事生まれて、無事これまで生きてこられて、

そして、祝ってくれる人々がいるんだから、じゅうぶんいいことだし、

みんなで一緒に飲むのが一番いいし、

それに、いいことであっても、しなければならないと

心のどこかに引っかかっていることは、もう手放して軽くなろう、

そんなふうに思い、この機会に開けて飲むことにしました。



びっくりしたのは、お祝いに巻き込まれた(?)友人の娘さんが、

Happy Birthdayの文字もたいへん立派な、

キラキラ輝く銀色のティアラをかぶせてくれたこと。

「いや~、似合う!」とみんなで笑ったので鏡を見てみましたが、

ちょうど巻髪にしていたこともあり、なかなかのもの(?)でした。

薄紫の薔薇やスイートピーのかわいらしいブーケも持たせてくれました。



ガトー・ショコラは、昔から友人がご家族のお誕生日のときに

必ず焼いてきたお菓子だそうで、

ご家族がいつもそうしているように、

ちゃんとロウソクをたて火をつけてくれて、

友人も娘さんも息子さんもみんなでHappy Birthdayを歌ってくれたあと、

一気に力強く火を吹き消すという、

本当にひさしぶりに、子どものとき以来のお祝いをしてもらい、

なんだかすごく感激してしまいました。



スパークリングワインをあけて、お料理や自家製のパンなどもいただき、

ケーキも切り分け、おしゃべりしながら宴をしていたのですが、

おなかいっぱいになり、夜も更けてきて、

たぶんデザートワインだから食後に飲もうと置いておいた

件のワインを、ついに開けるときがやって来ました。

コルクがもうもろくなっていたので、最後はびんの中に押し込んで

グラスに注ぎ、エチケットをよく見たら1990年とあったので、

「そんな昔のを飲む機会ってないよね」

「もらった時点でもう結構前のワインだったんだ。

いったいどんな味になっているんだろう」と

半分恐る恐る口をつけてみると・・・。


甘くて、しっかりして、それでいて、すーっと身体に入っていく。


「おいしい、これ、飲める」

「なんか、身体にいい感じがする」

開ける前には、おなかいっぱいだし飲みきれるかなという

話をしていたのに、すいすいと一本飲んでしまいました。

縁起のいいワインだとみんな喜んでくれたので、

やっぱり開けてよかったなと思いました。



そして、なにか、長い約束を果たしたような気がしました。



ワインを贈ってくれたのは、

東京にいたときによく行っていたフレンチレストランのスタッフで、

いつもニコニコと笑顔で迎えてくれ、特別なことをするわけではないのに、

お料理をおいしく気持ちよくいただける給仕をしてくれました。

自分の仕事を愛している」という感じが全身から伝わってくる人で、

世の中には他にもたくさんのプロフェッショナルな方々が

いらっしゃるとは思うのですが、

わたしのなかでは、いまでもNo.1のギャルソンです。

そのお店は、もうかなり前になくなってしまいましたが、

どこかで幸せに活躍していてほしいと心から思います。



友だちに祝ってもらうっていうのはあるかもしれないけど、

友だちの家族まで巻き込んで祝ってもらうっていうのは

あまりないよねとあとで笑ったのですが、

友人、友人のご家族、産んでくれた母をはじめ自分の家族、先祖、

ワインの贈り主を含めここまで生きてくるのにかかわってくれた

たくさんの人たちに感謝して、

新しい春へと向かう誕生日になりました。