”第二次朝鮮戦争と日本” | ソウルメイトの思想

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唯物論に対する懐疑と唯物論がもたらす虚無的な人間観、生命観を批判します。また、唯物論に根ざした物質主義的思想である新自由主義やグローバリズムに批判を加えます。人間として生を享桁異の意味、生きることの意味を歴史や政治・経済、思想・哲学、など広範二論じます。

北朝鮮が軍事大国のアメリカを翻弄できるのは
背後に中国がいるからでしょう。

歴史を振り返ってみると、朝鮮戦争で南朝鮮とアメリカの連合軍は、北にやられて一時は釜山まで押し込まれました。かろうじてそこから盛り返したものの、中国の実質的参戦によりそれ以上何もできなかったわけです。日本とドイツには勝ったものの、中国を相手に米軍の実質的敗北だったと言っていいでしょう。米軍が敗北したのはベトナムが最初じゃないんですね。

ところがソ連崩壊の後、アメリカは愚かにもグローバル化にのめり込み、国力の源泉たる製造業を無思慮にもどんどん海外移転させてアメリカは製造業が空洞化してしまいました。アメリカが沈んだ一方で大きく国力を伸長させたのが中国だったわけです。

グローバル化というのは、ようするに国力の衰退を招くんですね。それが遅らばせながらもようやくアメリカ人にもわかってきたから、サンダースやトランプが出てきたわけですね。しかし、グローバル化がアメリカに与えたダメージは相当に大きくて深いもので、そう簡単に癒やすことは容易ではないでしょう。

普通に観察すれば、大して頭を働かせなくたって、このくらいのことはわかるはずなのに、日本では安倍晋三以下、政治家も官僚も企業経営者も学者も言論人もいまだにグローバル化を必然のものとみなし、グローバリズムを礼賛しているわけです。こいつらの馬鹿さ加減は底が知れませんな!

中野剛志さんは、日本人にしみついた思考習性の顕著なものとして、「経路依存性」ということを指摘しておられますが、まことに正鵠を射たご指摘だと思います。

かつて、日本がアメリカを仮想敵国とみなし、アメリカに敵愾心をかき立てたのには、軍艦の建造・保有比率を英米の7割までとせよ、という英米の主張をいやいやながら呑まされたことが一つにはあるでしょう。

でも、戦争における軍艦の時代はすでに去っていて、しかも日本はハワイ真珠湾攻撃に先立って英国の軍艦を航空戦力で葬り去る、ということをやっていたにもかかわらず、大鑑巨砲主義から脱却できませんでした。その真珠湾攻撃の成功だって航空機による爆撃が大きな戦果をもたらしたのに、日露戦争における日本海海戦の大勝利が忘れられなかったんでしょうね。

多くの日本人が思い違いをしているのは、戦後における日本の繁栄は、GATTの管理貿易のもとにおいて成し遂げられたんであって、野放図に自由なグローバリズムのもとではありませんでしたからね。しかも戦後の日本の繁栄は、内需によるものが多でありました。にもかかわらず貿易立国とかほざくわけです。成功体験という経路依存性にひきずられるにしても、事実認識すら間違えているわけで、現代のグローバリストたちの馬鹿さ加減は底が知れないと重ねて思うわけです。

そういうやつらがヨイショしているのが安倍政権なんですからね。その中身がいかにお粗末かなんてことは、いちいち論評するまでもないと思いますね。だ・か・ら、右の売国、左の亡国と言うんでしょうな………