僕がロンドンで滞在することとなった、『カーネス・ホテル』はヴィクトリア駅にありました。
そのカーネス・ホテルが僕と『モヒカン刈りの男』宮島君を巡り合わせてくれました。
お互い小動物のように警戒しながら1つのテーブルに座り、無言でモーニングコーヒーを飲む。
微妙な空気の中、陽気な笑顔のオジサンが朝食の準備をしているのを眺める。
僕と『モヒカン刈りの男』宮島君との友情は、そんな不思議な時間の中で生まれました。
日が暮れるとホテルに戻り、二人で出掛けます。中華料理店で英語のメニューに四苦八苦しながらラーメンを食べ、パブに行ってビールを飲む。
トラック運転手をしてる『モヒカン刈りの男』宮島君が帰国する最後の夜まで、僕らのロンドンの夜は続きました。
『アビー・ロードに行ってみたら?』
『何それ?』
『世界一有名な横断歩道があるよ』
最高にファンキーな日本人『モヒカン刈りの男』宮島君は、ビートルズが歩いた横断歩道を渡って、日本に帰国しました。
翌朝、カーネス・ホテルのあのテーブルで賑やかに朝食を取っている日本人たちを見て思いました。
いつまでも僕らだけのテーブルではないんだ。
僕は『モヒカン刈りの男』宮島君がいなくなったロンドンを離れなければいけな いと思いました。