ネルソン・マンデラ氏は、政治犯として、27年間仲間と同じ監獄に収容されていました。
看守もずっと同じ人たちでした。辛く当たってくる看守たちに、マンデラ氏と仲間たちは、むしろ優しく接したそうです。
そしてその結果、看守が公務を忘れて、いたわりの気持ちを、ほんの少し表現したとき、マンデラ氏と仲間たちは、そのことを「人間性が発露した証だ」と何年にもわたって、喜んだと伝えられています。
苦しい思いをさせられている、その相手の小さな善意を、そこまである意味、無邪気に喜び続けられるというのは、なんと大きな包容力だろう、と思うのです。
日々家族とクライアント、そして友人たちから励まされて生活している私が、その善意を当たり前だと思っていないだろうかと、恥かしくなります。
マンデラ氏は昨年12月5日、95歳で天に召されました。人を信じきることができる方は、苦しい人生を過ごされても、長生きされるのですね。