今日は午後から一雨あり、虫たちの声にやや元気がないけれど、8月には16ビートで叫ぶように鳴いていたツヅレサセコオロギの声が、その名の通りに聞こえる、素晴らしい夜になりました。
「つづれ」という言葉は「破れたものを継ぎつづった衣、やぶれごろも、つづれごろも」を現します。
10月になると8月には短い音にしか聞こえなかった、1つひとつの鳴き声が、まるで老婆の囁きのように耳につき「肩刺せ、袖刺せ、綴れ刺せ」と聞きなしすることができ、これが「冬を迎える準備をせよ。衣を繕って寒さに備えよ」と聞こえるので、この名があります。
夏の日からはずいぶん遠くなったと感じ、正に「神無月は冬隣り」を実感します。