里山には雑木林があり、昭和30年代生まれの私は、かろうじて往時を知っています。
自宅近くはけやき並木で知られていましたが、昭和50年代に入ると、巨木をもてあます家が増え、徐々に伐採され、それに伴い、野鳥たちが姿を消してゆきます。
まずサンショウクイの慎み深い佇まいが失われ、次に畑で囀っていたホオジロと、早春に天高く舞い上がり、長く美しい声で冬が終わったことを教えてくれたヒバリが姿を消しました。
それに続いて、カワラヒワ、コジュケイの愛嬌ある気配も、より辺鄙な土地へと遠のいてゆきます。
長年付き合っていた巨木たちが、突然伐採されるのはショックです。
ここ数年だけでも、ずいぶん悲しい思いをしましたが、そうした環境の変化からも学ぶことがあるのだと思い、郷里に住み続けています。
気功師やエネルギーの使い手の間で「樹木から生命エネルギーをもらう方法」が伝えられています。
それらは事実ですが、他者から何かを奪おうとする発想では、人は向上しないどころか、退歩してしまうでしょう。
普段の日常で、偶然にも凛とした巨木に出会った、そのときたまたま仕事疲れがたまっていて、その巨木が本当に神々しく思えた、ということが皆さんにもおありだと存じます。
そんなときは素直に「会えて良かった」という気持ちを巨木に伝えればよいのです。
植物は宇宙と繋がっています。人間のように洞察的思考はできなくても、この繋がりによって偉大な感性を持っているものです。
特に齢を重ねた巨木たちは、道行く人がもし自分たちに理解を示してくれるのなら、心の底から喜んで歓迎してくれます。巨木たちはその人の本心がどうか?を観ていますから、打算では喜んでくれませんが、私たちの心がけが良ければ、こうした振る舞い酒のようなエネルギーが戴けるのです。
自然っていいなぁ(=⌒▽⌒=)。