第144回芥川賞受賞作
文藝春秋3月号
辞書を引かないと分からない言葉が多用され(8回は辞書を引いた)辟易した。
私の学が足りないのを棚に上げて言わせてもらえば、もう少し平易な言葉を使っても文体は維持できると思うのだが。
それはさておき、改めて私小説の面白さを知らされた思いだ。これを期に、もっといろいろ読んでみるかな。
しかし、本作は男の下卑な部分がことさら強調されたり、急に台詞が下品な言葉使いのオンパレードになったりするわりに、こちらも半分は下世話な興味でもって読み進めているにも関わらず、物語の内容がそれほど奔放な方向に行かないのもあって、やや肩透かしを食った感もある。
主人公が自分を『ぼく』と言うのは、ちょっと…。山田詠美はキュートだと評しているが、どうもね。
76点。