今アランとレナがいるのはルインの街を東に2日ほど行った炭鉱の街アルスである。この街では他の街では滅多に手に入らないような珍しい鉱石が数多く売られている。その理由はここから北に3キロほど行ったところにロイス鉱山と呼ばれる有名な鉱山があるからだ。そこで採掘された鉱石をここアルスの街へ列車を使って運んで来ている。
鉱石には様々なものがあり使い方がある。武器や防具の生産や強化に使ったり、特殊な力を持った鉱石は加工していろいろなことに使ったり、もちろん日常的なものを作るのにも使われている。
今アランとレナは大通りを歩いて依頼の品を受け取りに鉱石店に向かっている。
「あーめんどくさい」
いかにもだるそうといった感じで肩を落として手を前でぶらぶらさせて歩きながらアランはつぶやいた。
「もんく言わない」
「けどさーなんでわざわざ俺たちが取りにいかなきゃならないんだよ。別に自分で取りに行けばいいだろおに」
「依頼主の人がケガをして自分では取りにこれなくなったかららしいわよ」
「はははは・・・それはご愁傷さま」
「それにただ物を運ぶだけでモンスター討伐なみの報酬が貰えるんだからいいじゃない」
「まあそれはそうだが、・・・・それでもいきなりはないだろ」
最後のほうは独り言に近く隣にいたレナでも聞こえなかった。
アランは前回の依頼の後普段以上にお金も貰え疲れもあったため家でゆっくりしていた。だがその安息の休憩も街に戻って4日目の朝に早くに終わった。
その日の朝アランはベットで気持ちよく寝ていた。だが突然のノックの音がして目が覚めた。
「いったいこんな朝から誰だ ふぁああーー」
あくびをしながら玄関に向かった。
「はーーーーい」
返事をして扉を開けるとなんとレナだった。
(あーー絶対いいことないな よし見なかったことにしよう)
そしてそのまま扉を閉めようとしたしたとたん扉をガッチリと掴まれた。
「なに人の顔見るなりドア閉めようしてんのよ」
「まあ、なんというかいい予感がしなかったからだ」
「なんでそうなるのよ!」
「はぁ ・・・でどうしたんだよこんな朝早くから?」
「依頼よ!」
いきなり目の前に紙を突きつけられてそして
「早く着替えて行くわよ!」
内容もよく見てないまま無理やり着替えさせられそのまま2日程歩かされアルスまで連れてこられて今に至るのである。
大通りをしばらく歩いていると右手側に目的の鉱石店を見つけた。
「ここよ、ここ」
店の名前を確認しながらレナが言った。早速ドアを開けて中に入ってみると鉱石店というだけあって長方形の細長いガラスケースの中にたくさんの鉱石が並んでいた。
その奥に店の主らしき眼鏡をかけた優しそうなおじいさんが椅子に座っていた。そしてなぜか店の隅に雇われたと思われるいかにも鍛えてるゴツイ体つきをした2人組みが立っていた。
「いらっしゃい」
入ってきた俺たちに静かな感じで言った。
「今日はなんのご用事で?」
と聞いてきた。
アランは隣にいるレナを軽く肘でつつきお前が言えよと促した。レナもまあ仕方ないかという感じで説明した。
その依頼内容を聞いて一瞬訝しげな顔をしたおじいさんだが納得したのか。
「わかりました少し待っててください」
そう言い残して奥へ消えた。
1、2分後くらいに四角い小さな箱を持ってきた。
「これが、依頼の品です」
大切そうに手渡してきた。レナがそれを受け取り、念をおすように
「くれぐれもよろしくお願いします」
と付け加えた。その念のいりようにアランは一瞬
(なんでこんなに大切そうにしてるんだ)と思いながらも
(まあ、お客様のものだからしっかり大事にしてるんだな)とすぐに納得した。
レナは何も考えていないのか
「わかりました。それでは」
返事を返してドアから出ていった。
俺もそれに続いてドアから出ていこうとすると店の主に突然呼び止められた。
「なんですか?」
不思議に思って聞いてみると
「一応忠告しておきますが道中ほんとに気を付けてくださいね」
「はぁ・・・・・まあ気を付けますけど」
さっきの事といい物を運ぶだけでなんでこんな忠告してくるんだと釈然としないもの感じながらも
「それではさっきのが先に店出て待ってると思うので」
おじいさんにそう告げて店から出た。店を出たらやはりレナが腕を組んで店の前で待ちかねたかのように待っていた。
「遅い!いったい何してたのよ」
そう言われ
(いやいやそんな事言われてもな、中でおじいさんにこんな物を運ぶだけの仕事で道中くれぐれも気を付けてくださいなんてかなり心配さんれたなんて言ったら前のこともあるしなんて言う事やら)
こんな感じのことを重い
「まぁちょっとな」
などと曖昧な返事しておいた。
「ふーん」
助かったことにそれ以上追及しちうとせず
「それじゃあさっそく街の観光に行くわよー」
元気いっぱいにのりのりの様子で歩きだした。
「すぐに届けなくていいのか?」
まずいんじゃないかと思い聞いてみると
「別に期間の指定はしてないし1日ぐらい観光していったって大丈夫でしょ」
「まあならいいか」
納得すると
「行くわよーー」
歩きだしたレナの後を付いていこうとした瞬間
「!!」
一瞬どこかから殺気をを感じた。だがすぐに消えてしまい
「今のはなんだったんだ」
不思議に思いながらも
「まあ疲れがたまってんのかな・・・・いろいろいそがしかったし」
うんうんと納得した様子でレナの後を改めて追いかけた。
大通り沿いの裏路地
「危なかった、なかなか感のいい奴め気づかれるとこだった」
怪しげな感じの男が
「さてとどうやって例の品を奪ったものか」
そんな感じのことをつぶやきながら裏路地から姿を消した・・・・