星が降る夜
土と草の匂い
星が弧を描く
いくつも いくつも
掴めるような気がして 手を伸ばす
手を伸ばす
多分 隣には父がいた
流星をわが子に見せようと
寝ている私を連れてきてくれたんだね
記憶の中には 父の気配はないのだけれど
そこには 私 と 宇宙(そら) しかいないのだけれど
父をどこかに置き去りにしたまま
私は宇宙(そら)になる
グルグル グルグル と
スピラ(螺旋)という宇宙(そら)になる
見上げると 空に 星があった頃
私は 宇宙(そら) だった
地上に光が乏しかったから
空に星が沢山あったのかな
今 地上に光が満ち溢れているから
空から星が消えたのかな
光が満ち 満ち 溢れているからなのかな
目を閉じてはいけないよ
私の宇宙(そら)が 確かに 今
そう呟いた